「この日を待ちわびていたからこそ、目の前の課題に取り組み続けた」
現地1月9日、ウォリアーズのクレイ・トンプソンが941日ぶりにNBAの試合に出場した。
本拠地チェイス・センターでのキャバリアーズ戦に先発出場したトンプソンのプレータイムは19分に制限されたが、8本中3本の3ポイントシュートを含むフィールドゴール18本中7本の17得点を記録し、チームも96-82で勝利した。
試合後の会見に登壇したトンプソンは、生き生きとした表情で質問に答えた。その受け答えには「普段なら決めるようなシュートを外してしまったけど、こういう話もここ2年できなかった」、「本当にうれしいんだ。自分らしいシュートが打てたわけではないけど、こうしてまたスタッツシートに自分の名前が載っているのもうれしい」、「優勝に近いくらいの特別な瞬間だった」とポジティブな言葉が並んだ。
大ケガが相次ぎ、2シーズン全休となったトンプソンは再びコートに立てるようになるまで「以前のように戻れるだろうか?」と自問自答を続けてきたという。「前十字靭帯を断裂すれば筋力を戻すのに相当な時間がかかるし、『前のように戻れるかな?』とか、『ケガをする前と同じように反応できるかな?』とか。それは自然なことだけど、いろいろと考えてしまったよ」
そして、大歓声で出迎えてくれたファン、自分のジャージーを着て会場入りしたチームメート、コーチングスタッフ、関係者への感謝をあらためて言葉にしたトンプソンは、この2年半で得た教訓を聞かれると「トンネルの出口は必ずあるんだ」と静かに答えた。
「どれほど優れたアスリートだって、倒れてしまうことがある。そして、自分ではどうにもならないことも起こってしまう。ただ、トンネルの出口は必ずある。それを学んだ。この日を待ちわびていたからこそ、目の前の課題に取り組み続けた。近道は一切しなかった。もしかしたら、最初のリハビリの時には熱が入りすぎてしまって、あまりにも早い段階でプレーしてしまったのかもしれない。誰もが一人で生きているわけではない。本当にたくさんの人たちに助けてもらった」
「愛する人たちに頼って、自分のことを気にかけてくれる人たちに助けを求める。苦しい時期がずっと続くわけではないけど、立ち向かわないといけない。それを学んだ」