ブラッド・スティーブンス

「再建という言葉は私たちの辞書にはない」

今オフ、セルティックスは新シーズンの年俸が3000万ドル(約45億円)以上となるドリュー・ホリデークリスタプス・ポルジンギスを放出。さらにフリーエージェントとなるルーク・コーネット、アル・ホーフォードとの再契約を見送り、大幅なサラリー削減に成功した。

セルティックスはプレーオフでアキレス腱断裂の重傷を負った大黒柱ジェイソン・テイタムの、1年以上の離脱が予想されている。そのため新シーズンのチームは優勝を狙うのが厳しく、主力放出によるサラリー削減に動くことは周知の事実だった。

交渉相手に足元を見られてもおかしくない状況において、セルティックスは貴重な資産であるドラフト1巡指名を失うことなく、ホリデー、ポルジンギスの放出に成功。新シーズンのセカンドエプロンの罰則を回避できる見通しとなり、チーム編成を担うブラッド・スティーブンスの手腕を絶賛する声が相次いでいる。

会見を行ったスティーブンスは、主力の放出はセカンドエプロン回避のためであることを明言した。ただこれは新オーナーによる強い要請によるものではなく、さらには今回の動きはテイタムの負傷に関係なく行うつもりだったという。

「昨シーズンどんな終わり方をしていたとしても、私たちは今シーズンにサラリー削減を行うつもりだった。過去2シーズン連続でセカンドエプロンの罰則を受けており、ここで厳しい決断を下す必要があった。3年目により大きな罰則の影響が出ることを承知の上で、ここ数シーズンはリスクを冒して挑戦を続けていた」

これで新シーズンのセルティックスは、2023-24シーズンの優勝メンバーからテイタム、ホリデー、ポルジンギス、ホーフォードと主力4人が抜ける。また、一連のトレードでトレイルブレイザーズからアンファニー・サイモンズ、ホークスからジョージ・ニアンを獲得しているが、大幅な戦力ダウンは否めない。外から見ればセルティックスは再建モードに入ったと見られている。

だが、スティーブンスは「私の期待は常に同じで、次の試合になんとしても勝ちにいくこと。再建という言葉は私たちの辞書にはない」とそのような見方を強く否定する。そしてチームの現状について「ドリューやKP(ポルジンギス)のような選手をトレードで出すのは、チームの再構築が進んでいるということ。チームは常に何かを構築して進んでいくものだ」と語る。

新シーズンも貪欲に勝利を目指していくと語るスティーブンスの舵取りの下、セルティックスは大方の予想を良い意味で裏切ることができるだろうか。