ワールドカップ参戦の女子日本代表、強豪スペインを相手に食い下がるも完敗を喫す

2018/09/23
日本代表
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女子日本代表

文=鈴木健一郎 写真=FIBA.com

スペインのディフェンスに『日本のバスケ』を出せず

スペインのテネリフェで開幕した女子バスケットボールのワールドカップ。ホスト国にしてFIBAランキング2位のスペインとグループリーグ初戦で対戦した日本代表は、健闘するも70-84で敗れた。

日本の先発は本橋菜子、水島沙紀、宮澤夕貴、馬瓜エブリン、髙田真希。人もボールも素早く動かしては、一瞬の隙を逃さずドライブで仕掛ける攻めで立ち上がりの勢いで上回り、上々のスタートを切る。しかしスペインの対応は早く、そして的確だった。速攻を徹底的に潰して日本の『走るバスケット』を封じ、3ポイントシュートも警戒して打たせない。1on1のアタックで失点が続いたが、ピック&ロールに対してスイッチでズレを作らせないことを確認すると、個人技でゴール下を破られての失点は仕方ないと割り切り、ヘルプに行かないことでドライブからのパスで日本がリズムに乗る展開を作らせなかった。

ピック&ロールから崩せないためにポイントガードが外で孤立し、合わせのプレーが生まれずに得点が続かない。スペインはこうして日本のバスケを封じ込めた上で、自分たちもターンオーバーが続きオフェンスでは波に乗れないながらも、難しいペリメーターシュートをしぶとく決めて、またセカンドチャンスからの得点を重ねることで、前半を終えて21-39と差をつけた。

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後半は日本の展開に持ち込むも、スペインは崩れず

それでも第3クォーターに入ると、日本が反撃を開始する。ディフェンスからオフェンスへの切り替えが早くなると、素早い仕掛けでスペインの対策を上回るように。ドライブでズレを作ってのキックアウトから宮澤の3ポイントシュート、リバウンドから速攻に転じて再び宮澤と連続得点。髙田がオープンのペリメーターシュートを沈めれば、藤髙三佳がキャッチ&シュートのチャンスで確実に3ポイントシュートを決め、オコエ桃仁花のドライブ、本橋のコースト・トゥ・コーストと怒涛の攻めを展開。48-61、19点差を13点差まで縮めて最終クォーターを迎える。

勢いは日本にあったが、ここで崩れないのもスペインの強さだった。ハイテンポな打ち合いが続く中、何度も日本が詰め寄るも、スペインは勝負どころの1本を確実に決めることで2桁のリードを保ち続ける。残り4分で馬瓜がバスケット・カウントをもぎ取り、ボーナススローを外すもセカンドチャンスを得点に繋いで64-73と1桁に詰め寄るも、なおもスペインは崩れない。

残り2分半で66-77、ここまでフル出場を続けていた大黒柱の髙田がベンチに下がる。なおも日本は勝負をあきらめず、早い展開から馬瓜が仕掛けてフリースローで差を詰め、本橋のコースト・トゥ・コーストで追いすがるが、スペインは難しいシュートを確率良く決めてリードを保つ。最終スコア71-84で、日本は初戦を落とした。

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速攻が出ていた時間帯は日本が主導権を握る

日本代表では宮澤が2本の3ポイントシュートを含む12得点、他にも藤髙、オコエ、髙田、本橋が2桁得点を記録した。悔しい敗戦ではあるが、リオ五輪以降はケガに苦しんだ藤髙が今大会の初戦から最高のシュートタッチを披露したことは今後に向けたプラス要素となる。

両チームともに19ターンオーバーと、攻めより守りでの積極性が目立ったが、ターンオーバーからの得点(13-22)、セカンドチャンスポイント(4-15)の差が響いた。また両チームともに打ち合いの性急な展開でバタバタしてミスが続く中でも、アシストではスペインの22に対し日本は10と差が付いた。ここは日本のパスワークを徹底して消しに来たスペインの作戦勝ち。一方でファストブレイクでの得点では10-2。スタッツで上回るだけでなく、速攻が出ていた時間帯は日本が主導権を握っており、この先もいかに『走るバスケ』を展開するかが問われる。

グループCのもう1つのカードではベルギーがプエルトリコに86-36と大勝。今夜21時半からのベルギー戦がグループ突破のために負けられない試合となる。渡嘉敷来夢が代表参加せず、赤穂さくらが最終選考で外れたためにセンターをこなせるのは髙田のみ。その状況で髙田は37分半プレーしておりコンディションが心配だが、リオ組で実績のある町田瑠唯と長岡萌映子はベンチスタートでプレータイム約6分と温存されており、奮起が期待される。

敗れはしたが、メダルを狙うチームとして、このスペイン戦を捨てることなく全力で勝ちに行った姿勢は評価できる。ほとんどの時間帯で2桁のビハインドを背負う展開となったが、スペインの立場からすれば決して楽な試合ではなかったはず。この経験が今後の試合に生きると信じたい。

女子バスケットボールワールドカップ 日本代表選手12名

0 長岡萌映子(SF / トヨタ自動車アンテロープス)
1 藤岡麻菜美(PG / JX-ENEOSサンフラワーズ)
7 水島沙紀(SG / トヨタ自動車アンテロープス)
8 髙田真希(PF / デンソーアイリス)
13 町田瑠唯(PG / 富士通レッドウェーブ)
15 本橋菜子(PG / 東京羽田ヴィッキーズ)
24 藤髙三佳(SG / トヨタ自動車アンテロープス)
30 馬瓜エブリン(SF / トヨタ自動車アンテロープス)
41 根本葉瑠乃(SG / 三菱電機コアラーズ)
52 宮澤夕貴(SF / JX-ENEOSサンフラワーズ)
88 赤穂ひまわり(SG / デンソーアイリス)
99 オコエ桃仁花(SF / デンソーアイリス)
[ヘッドコーチ]トム・ホーバス