京都精華学園との決勝へ「最後は3年生に笑顔で勝ちをプレゼントしたい」
桜花学園はウインターカップ準決勝で昭和学院を110-72で破り、決勝へと駒を進めた。明日の決勝で京都精華学園に勝てば、24回目のウインターカップ優勝、そしてインターハイとの2冠を達成することになる。
バランスの良いチームバスケが機能した中でも突出した働きを見せたのが、下級生で唯一スタメンに名を連ねる横山智那美だ。フィールドゴール18本中11本成功の25得点に加えて、6アシストも5スティールもゲームハイの数字。8リバウンドも朝比奈あずさと前田心咲と並んでトップ。数字だけではなく、堅守からのトランジションを引っ張る存在感も光った。
「チームとしては今までやってきたことを、相手に合わせるのではなく自分たちのペースでできた」と語る横山だが、個人の出来は「最初の入りが固くなってしまった」と、大活躍にもかかわらず反省の言葉が先に出た。
第1クォーターの横山は思い切った攻めができず、4本のシュートを放つも無得点のまま一度ベンチに下がっている。それでも第2クォーターの頭からコートに戻ると、最初のポゼッションでゴール下のスペースに飛び込んでパスを呼び込み、最初の得点を挙げた。「みんなが『いつも通りやれ』と声を掛けてくれて気持ちがほぐれて、いつも通りのプレーが出せたので、みんなに感謝しています。最初がすごく緊張していたので、その分を取り返さないとという気持ちでやって、いつも通りプレーできて良かったです」
ここから自分のリズムでプレーし始めた横山は、良いプレーが出るたびに積極性を増して、そのスキルの高さを見せる。この試合での桜花学園は3ポイントシュートが7本中3本成功と、試投数自体が少なかった。長距離砲の爆発がなくても大量得点を奪えたのはトランジションが機能したから。横山は速攻の場面で顔を出す頻度が高く、そのトランジションを引っ張った。
2年生ながらチームを引っ張る意識については「あまり感じていない」と言う横山だが、「逆に2年生だから失敗を恐れることなく、チームの代表として出させてもらっているのでアグレッシブに、自分が流れを変えるつもりでやっていました」と、思い切りの良さを出すことで結果的にチームを引っ張った。
あとはファイナルを残すのみだが、まだまだ横山は上を見ている。「自分の持ち味が走ることなので、そこを出せたのは良かったけど、ドライブは警戒されていると思います。全部突っ込んでしまうと自分は身長が低くてブロックされるので、シュートの工夫をして改善したい。3ポイントシュートとジャンプシュートを冬に向けて頑張ってきたので、そこを次は見せれるようにしたいです」
泣いても笑ってもあと1試合。京都精華学園は強敵だが、横山にとっては気負わないことが最優先。「最初から緊張することなく自分のプレーを出して、3年生とできる最後の試合で今までやってきたことをすべて出して、後悔なく最後は3年生に笑顔で勝ちをプレゼントしたい」。そう語る彼女の思い切りの良いプレーに期待したい。