東山

「ハーフコートオフェンスは見せることができた」

ウインターカップ3日目、ここまで大きな波乱がなく進んできたが、前年度準優勝の東山が2回戦で姿を消した。

前橋育英戦に臨んだ東山は、大澤徹也コーチが「今年のチームの課題でもある出だしの悪さがモロに出た」と語ったように、悪い流れを断ち切れず、第1クォーターで27点ものビハインドを背負った。

焦りはミスを生み、気合いも空回りしたことで第2クォーターに点差を詰められなかったが、後半はオフェンスに特化した『東山らしさ』全開のプレーで反撃し、最終クォーター残り1分を切った場面では西部秀馬の3ポイントシュートで3点差まで追い上げた。それでも、追いつくことにエネルギーを使いすぎてしまい、あと一歩が届かずに91-97で敗れた。

悔しい早期敗退となったが、大澤コーチはオフェンスに特化したスタイルの片鱗を見せることができたことに胸を張る。「佐藤(友)の1対1だったり、西部の最後のシュートもそうですが、ウチはオフェンスでリズムをつかむチームです。落ちてからの速い展開だったり、ハーフコートオフェンスは見せることができたかと」

佐藤は1年生ながら2試合連続で20得点を超え、全国にその名を轟かせる活躍を見せた。それでも、「自分の良さは見せられたと思うんですけど、3年生たちは去年に悔しい思いをしていたので、チームが勝ってメインコートに立ってプレーしたかった思いのほうが強いです」と語り、自身のパフォーマンスよりも3年生とプレーできないことの悔しさに苛まれていた。

エースの西部は「引退の現実味がないです」と現実を受け入れられずにいたが、落ち着きを取り戻し、淡々とこのように語った。「決められても決め返せばいいという考えでやってきましたが、相手の流れになってしまった時のオフェンスが上手くいかなかったです。自分がメークすることがあまりなく、人に任せることが多くなってしまって悔しいですけど、チームの結果なので仕様がないです」

昨年のウインターカップ決勝戦を2点差で落とした際、大澤コーチは「これは私の責任です」と1ポゼッションの差を悔やんだ。今回も1ポゼッション差の敗退となり、「子供たちは戦う姿勢を見せてくれて、私が頼りなかった。接戦になったときは私の差です」と、不変の心で敗戦を受け止めた。オフェンス特化型を貫く、東山の挑戦はこれからも続く。