明星学園

留学生に依存したインターハイを受け「今までとは違ったチームに」

ウインターカップは大会3日目。女子の3回戦では白鷗大学足利(栃木)と明星学園(東京)が対戦した。いずれも1回戦から2勝を挙げて3日連続の試合。体力的に厳しい状況での試合で、総合力で上回る明星が89-66で快勝を収めた。

立ち上がりから明星の動きの良さが目立つ。攻めでは選手もボールもよく動き、留学生プレーヤーの高さに頼らないバランスアタックを展開。守備では激しいプレッシャーを仕掛けていく。この明星の強気なプレーに対して白鷗大足利は受け身に回ってしまう。ボールを大切にしようとするあまり、パスもドリブルも相手のプレスから逃げる方向に行ってしまい、リングにアタックできない。

明星はリバウンドも全員がよく走って飛び込んで取り、セカンドチャンスからの得点が飛び出すことでリードを広げ、第1クォーターを33-14と圧倒。33得点のうち留学生プレーヤーのアダム・アフォディヤは8得点、アディクペ・エスターは2得点。他の選手がしっかりペイントエリアに仕掛け、そこにパスを合わせる形で、2点シュートを18本中13本成功と高確率で決めた結果のビッグクォーターとなった。

白鷗大足利は第2クォーターに入って動きに硬さが取れてディフェンスを立て直し、外からの思い切りの良いシュートで対抗するも、明星を崩すには至らない。明星の司令塔、菅野響は落ち着いてボールを前へと運び、フリーの選手を見付けるとコートの反対側までも強いパスを精度高く届ける。自分が起点となるバランスアタックについて菅野はこう語る。「インターハイはビッグマンに頼りすぎて、京都精華さんとの試合で2人が抜けた時に点が取れなくなってしまいました。東京都の予選でも頼りすぎるのが課題だったので、外の選手もしっかりプレーできるように話してきました。今までとはちょっと違ったチームになったと思います」

白鷗大学足利はシュート力では明星に劣っておらず、走り負けないところから立て直したかったが、先の2試合も含めて主力にプレータイムが偏る上に、受け身になって振り回される時間帯が長く、試合が進むにつれ疲弊の色が濃くなっていく。最終クォーターこそ白鷗大足利が上回ったものの、明星はセーフティリードを保ったまま89-66で勝利した。明星はベンチ入りした15人全員が出場し、うち12選手が得点を挙げるバランスの良さが光った。

菅野響

明日の準々決勝では桜花学園に挑戦、菅野響「楽しみ」

明星の青木良浩コーチは「留学生が点を取れなくても日本人で頑張ろうと、この2カ月でチームを変えた成果が出ました」と、バランスの良さを強調する。「私が来た時は得点の65%を留学生が取っていましたが、今は逆転して日本人が65%で留学生が35%ぐらい。もっと強いチームにはもっとすごいセンターがいるので、留学生に依存すると抑えられたら終わってしまいます。日本人選手を鍛えてきた成果が出ました」

明日の準々決勝では桜花学園(愛知)と対戦する。高校バスケ界の『女王』に挑戦することになるが、菅野は「楽しみ」と声のトーンを上げる。「夏までの自分たちとは違うので、桜花さんに挑戦して、勝って準決勝に進みたい。自分たちの持ち味のディフェンスからのブレイクを40分間やり続けて、中の選手に頼らずバランス良くやれれば絶対に勝負になると思います」

それは青木コーチも同じ。「ここまでは前任者がやってきたことで、私としては自分へのプレッシャーとしてベスト8に入らないといけなかった。選手たちも楽しみにしているので、思い切りやらせたい。今から桜花対策をもう一度練って徹底して、空振りしたら私のせいです(笑)。楽しみたいです」