「強い気持ちでシュートをねじ込んでいきました」
ウインターカップ2日目。女子の2回戦で八雲学園(東京)と聖カタリナ学園(愛媛)が対戦した。
ともにディフェンスからの走るバスケットを持ち味としている強豪校同士とあって、ゲーム序盤から走り合いとなり、第1クォーターを17-17と同点で終える。
第2クォーターになると山本遥香の連続3ポイントシュートで聖カタリナが6点のリードを奪い一歩抜け出し、その後もセカンドチャンスポイントをモノにしてリードを維持したが、第2クォーターの終盤になると今度は八雲の3ポイントシュートが当たり出し流れが変わった。
八雲の2年生ポイントガード、山田優歩が立て続けに3ポイントシュートを沈めて逆転に成功すると、その後も山田が外にディフェンスを引き寄せては、大黒柱の薮未奈海のスペースを作り出すことで、38-33と八雲の5点リードで前半を終えた。
後半になっても八雲はリードを維持する。全員がボックスアウトを徹底し、ディフェンスリバウンドからの速攻でリードを2桁に広げた。最終クォーターには聖カタリナのプレスディフェンスや3ポイントシュートを許したことで5点差にまで詰められたが、八雲はキャプテンの久米田琉菜が「最後なのでここで負けてはいられない、という強い気持ちでシュートをねじ込んでいきました」と語ったように、久米田や薮がここぞのシュートを決め切ることで、勝負強さを発揮して、最終スコア83-73で勝利した。
23得点15リバウンドの活躍でチームを牽引したキャプテンの久米田は「昨日は第1クォーターで相手に流れを持って行かれてしまいましたが、今日は出だしからしっかりと競り合うことができました。厳しい時間帯は多かったけど、そこで頑張って自分たちの流れ、速い攻撃をして勝利に繋げられて良かったです」と振り返った。
八雲は、大阪桐蔭(大阪)、聖カタリナと強豪校との戦いを制し3回戦へと駒を進めた。久米田は言う。「去年は3回戦で負けて悔しい思いをしたので、今年こそはベスト8、ベスト4に繋げられるように、しっかりと走るバスケットに自信を持って外角シュートを狙っていきたいです」
「みんなで思いを一つにして戦えたから悔いはない」
一方の聖カタリナは2回戦敗退で今年のウインターカップの幕を閉じた。この試合で26得点3スティールを挙げた瀧野彩春は、涙を交えながらも、最後はスッキリした表情で「勝ちたかった思いが強くて悔しいですが、今までやってきたことに後悔はありません」と語った。
「自分がシュートやドライブを決められたのは、周りの人がディフェンスを引き寄せてくれたからです。コートに立っている5人やベンチ、観客席など全員のおかげで、みんなで戦うことができて楽しんでプレーできました。みんなで思いを一つにして戦えたから悔いはないです。楽しかったです」
3年生の瀧野にとって、これで高校バスケは終わりだ。次は後輩たちに聖カタリナのバスケットを託すことになる。「メインコートは簡単に行けるところじゃないですし、今の練習量や努力では足りないということが、今回のウインターカップで分かりました。練習でやったことは試合に全部出るから、後輩たちには練習を一番大切にして、来年はメインコートに行ってほしいです」