アダム・シルバー

「このウイルスに根絶はなく、我々は共存することを学ばなければいけない」

NBAコミッショナーのアダム・シルバーが現地12月21時、『ESPN』の取材に応じ、新型コロナウイルスの感染者続出へのNBAの対応を語った。この日の時点でNBA30チーム中20チームから、少なくとも82人の選手が健康安全プロトコルにより自主隔離を余儀なくされており、この人数は発表されるごとに増えている。『ESPN』の問いは「この状況を受けてリーグを中断するか」で、シルバーの答えは「No」だ。

2019-20シーズンはレギュラーシーズンが短縮となり、オーランドのディズニーリゾート内に『バブル』と呼ばれる隔離エリアを設置して、その中でシーズン終盤戦とプレーオフをやりきった。それから1年半が経過し、新型コロナウイルスが何であるかの理解とワクチン接種が進んだ。この状況でNBAにリーグ中断という選択肢はない。

シルバーは言う。「すべての要素を検討した結果、リーグ中断という結論には至らなかった。正しく責任ある行動とはプレーを続けることだ。このウイルスに根絶はなく、我々は共存することを学ばなければいけない。それが今まさにNBAが経験していることだ」

現在の陽性反応が出ている選手の大多数がオミクロン株に感染しており、陽性反応は出ても無症状、あるいは軽い症状で済んでいる。選手の97%がワクチン接種済みだが、リーグとしてはいまだ65%に留まっているブースターショット(追加接種)を推奨していく。一部のコーチから「無症状であればプレーさせるべきだ」との意見が出ているが、シルバーは健康安全プロトコルの緩和にすぐ踏み切るつもりはなく「様々なデータを注視しながら慎重に検討していく」と語った。

「残念ではあるが、このウイルスはどこにも行かない」と彼は言う。NBAは新型コロナウイルスとの共存を探りながら前に進む。