田代直希が戦線離脱、入れ替わるように復帰したフリッピンに期待
琉球ゴールデンキングスは11月13日、ホームでの群馬クレインサンダーズ戦に94-100で敗れて連勝が6でストップした。この試合、琉球は出だしから群馬の得意とするトランジションを止められず、第3クォーター途中には最大で20点の大量リードを奪われてしまう。そこから追い付く粘りは見せたが、故障者続出によって8人ローテーションを余儀なくされており、さらにリードを奪って突き放すエナジーは残っていなかった。
桶谷大ヘッドコーチもこう振り返る。「この人数で選手たちは消耗していて、最後、力が足りなかったです」
11月6日の新潟アルビレックスBB戦でキャプテンの田代直希が今シーズン全休となる左膝の前十字靭帯断裂の重傷を負った。さらにジャック・クーリーもウィルス性肝炎で離脱しており、今の琉球は満身創痍の状態だ。その中で数少ないポジティブな材料となったのが、コー・フリッピンの完全復活だ。
今オフ、千葉ジェッツから加入したフリッピンは、開幕戦から先発起用されて主力の一員を担っていたが、4試合目のシーホース三河戦で負傷し約2週間に渡って欠場することに。6日の新潟戦で復帰したが、起用法も限定的だった。
しかし、この試合では20分22秒と復帰後では初の20分を超えるプレータイムを記録。フリッピンは、自身のコンディションをこう語る。「今節の前までは出場時間に制限がありました。今節からはヘッドコーチが自分の調子を見ながら使えるようになりました。そこは順調に行っていると思います」
シュートを積極的に打ちにいく中、フィールドゴール12本中3本成功のみの8得点と不発に終わった。ただ、ディフェンスでは「前からトレイ・ジョーンズにぶつけていくことは頭にありました。コーがマッチアップしている時間帯はチームにとって良かったと思います」と指揮官の期待に応えている。
田代の穴を埋めるためにはチーム全体でのステップアップが不可欠だ。キレ味鋭いドライブが持ち味のフリッピンには、田代が担っていたピック&ロールからの仕掛け役としても期待したい。ただ、本人は、これまでとやるべきことは変わらないと考えている。
「田代選手が抜けたのは大きな打撃ですが、自分個人としてはそれを受けて特別に何かをしなければならないとは思っていません。我々はメンバーが揃っていて、みんなそれぞれ強みを持っています。田代選手の欠場でそれぞれの出場時間は長くなっていますが、各自が自分の仕事をしていけば大丈夫と思っています。だから、まずは個人として安定したプレーをすることを心掛けています」
どんな状況であれ、ホームで同一カード連敗を喫してのブレイク突入は避けたい。昨日の敗戦のリベンジを果たすには、「前半に61失点したことが敗因でした。メンバーが足りない中、ここで20点差を縮めてリードを奪うのは大変なことです」とフリッピンが語るように、まずはディフェンスの立て直しが不可欠だ。そのためには群馬のオフェンスの要であるジョーンズへの対策を始め、フリッピンの攻守に渡る活躍に期待したい。