デビン・ブッカー

ウイルソンのアドバイザリースタッフを務めるヤングも確率が低下

今シーズンからファウルを誘うプレーに対する判定基準が変わったことで、NBAの1試合あたりのフリースロー獲得数は減少傾向にある。このように何か変化が生じれば、選手がそれなりの影響を受けるのは当然だろう。

NBAが今シーズンに変更したのはファウルの基準だけではなく、公式球の提供会社も変更した。以前のスポルディング製から、ウイルソン製のボールが使わるようになったが、この変更によりシュート成功率を落としているトップ選手が多々いる。

トレイルブレイザーズのデイミアン・リラードはその筆頭だ。開幕戦で9本すべての3ポイントシュートを落としたリラードはその後も確率が上がってこず、現在の3ポイントシュート成功率はダントツでキャリアワーストとなる23.1%(キャリア平均37.3%)にまで落ち込んでいる。マーベリックスのルカ・ドンチッチも、ともにキャリアワーストとなるフィールドゴール成功率42.6%、3ポイントシュート成功率25.5%と苦しんでいる。

サンズのスコアラーであるデビン・ブッカーもフィールドゴール成功率40.5%(キャリア45.4%)、3ポイントシュート成功率27.8%(キャリア35.0%)と大幅にダウンしている。ブッカーは「ボールごとに感触が違う」と不満を訴えている。「新しいウイルソン製のボールと以前のボールとの最も大きな違いは、ボールごとに感触が違うこと。以前のボールはどの試合でも同じ感触だったけど、今シーズンはそうじゃないんだ」

リラードのチームメートであるCJ・マッカラムも「アジャストしている最中」と語り、クリッパーズのポール・ジョージも「スポルディング製と同じタッチじゃない」と話すなど、ブッカーと同様の見解を示している。ちなみに、ナゲッツのジャマール・マレーとともにウイルソンのアドバイザリースタッフに就任したホークスのトレイ・ヤングも、3ポイントシュート成功率27.0%と数字を落としているトップ選手のうちの一人だ。

ウイルソンのリリースによれば、新しい公式球は、以前のボールと同じ天然皮革の8枚パネル構造で、素材の調達から細かい仕様まで従来通りとなっているという。世界トップクラスの選手たちにしか分からない、わずかな感触の違いがそこにはあるのかもしれない。