写真=Getty Images
ラプターズ 2015-16シーズン成績
56勝26敗 東カンファレンス2位/プレーオフ・カンファレンス決勝敗退
フィールドゴール率45.1%(リーグ15位)
3ポイントシュート成功率37%(リーグ4位)
1試合平均得点102.7(リーグ13位)
1試合平均リバウンド43.4(リーグ16位)

「平均20得点超え」コンビの残留に成功

カイル・ラウリーとデマー・デローザンというリーグ屈指のハイスコアリングデュオを擁し、昨シーズンは球団史上最多となる年間56勝をマーク。そして、これまた史上初のカンファレンス決勝にも進出したが、東の王者キャバリアーズの前に涙をのんだ。

オフにはフリーエージェントとなったデローザンと再契約し、エースコンビを残すことに成功。今シーズンもチームが挙げる得点の約50%を担うことが期待される。

主力の大半は残留し、今シーズンも年間50勝は狙える戦力を維持できた。唯一の懸念材料は、インサイドの守備力低下の恐れだ。昨シーズンのプレーオフで評価を高めたビッグマンのビスマック・ビオンボは、オフにフリーエージェントとなってマジックに移籍。

昨シーズン年間133本ものブロックを記録したショットブロッカーがコートに出ていた場合100ポゼッションでの平均失点が100.6だったのに対し、出ていなかった場合104.5にまで失点が増えたというデータが示す通り、チームディフェンスに影響を与える存在だった。攻から守への動きの速さはラウリーも認めているほどで、ビオンボがいたからこそ、ラウリーとデローザンは安心してオフェンスに集中することができた。

リオの金メダル獲得に貢献し、プレーヤーとして成熟期を迎えた二人の残留はチームにとって至上命令であった。

守備の弱体化を防ぐキーマンはキャロルとサリンジャー

その穴埋めとして辣腕GMのマサイ・ウジーリが獲得したのは、セルティックスからフリーエージェントとなったジャレッド・サリンジャーだ。ポジションはパワーフォワードだが、センターでの起用も可能。ハードワークと機動力が持ち味で、1試合2桁のリバウンドも期待できる。セルティックス時代はやや太めの体型だったが、今年はトレーニングキャンプまでに身体を絞るなど、新天地での意気込みが伝わってくる。

そのサリンジャーとフロントコートでパートナーシップを結ぶのは、守備のスペシャリストとして知られるデマーレイ・キャロル。昨シーズンはケガでわずか26試合の出場に終わったが、コンディションに問題がなければ粘り強い守備で相手のエースを苦しめられる選手だ。

センターのヨナス・ヴァランチュナスもポストアップからの得点力に優れるものの、オフェンスのカギを握るのは2人のオールスター。デローザンはドライブから得点を生み出すタイプの古典的なスコアラーで、ファウルを誘う技術にも優れている。昨シーズンはキャリアハイとなる年間653本ものフリースローを獲得し、自己最多となる555本を成功させた。

身長は183センチだがスピードとフィジカルの強さを兼ね備えるラウリーは、昨シーズン、キャリア初の平均20得点超えを達成。オフにはデローザンとアメリカ代表に選出され、リオ五輪での金メダル獲得に貢献するなど、心身ともに充実したキャリアを送ってている。

ケミストリー、健康、レギュラーシーズンのスケジュールに左右される部分もあるだろうが、セカンドユニットを含むチームの土台がしっかりしているため、今シーズンもイースト上位でのプレーオフ進出は固い。

セルティックスから加入したサリンジャー。しなやかさと力強さを併せ持ちゴール下で力を発揮する。

2016-17シーズン ラプターズ予想ロスター
[PG]
カイル・ラウリー、コーリー・ジョセフ、デロン・ライト
[SG]
デマー・デローザン、ノーマン・パウエル
[SF]
デマーレイ・キャロル、テレンス・ロス、ブルーノ・カボロ
[PF]
ジャレッド・サリンジャー、パトリック・パターソン、パスカル・シアカム
[C]
ヨナス・ヴァランチュナス、ヤコブ・ポートル