松脇圭志

ノックスのファウルトラブルで窮地に追い込まれるも、粘りの勝利

三遠ネオフェニックスと新潟アルビレックスBBの第2戦。第1戦はロスコ・アレンの23得点、コービー・パラスの21得点とオフェンスが爆発した新潟の快勝となったが、今日の第2戦では三遠のペースで試合が進んだ。

三遠は強引なアタックから決める力のあるパラスにボールを持たせないディフェンスを徹底。またリバウンドの意識を高めてセカンドチャンスを与えず、新潟のシュートタッチが総じて良かったにもかかわらず堅実なディフェンスで主導権を握った。そのディフェンスがハマっての速攻で差を作り、40-35で前半を終えた。

しかし、前半にフィールドゴール7本中5本を決めて11得点を挙げたジャスティン・ノックスが後半開始から3分あまりで4つのファウルを立て続けに取られてファウルトラブルに。ノックスは第4クォーターにコートに戻るも、すぐに5つ目のファウルを取られて退場となり、後半はチームをピンチに追いやってしまった。

笛が軽くて簡単な接触でもファウルをコールされてストレスが溜まる状況ではあったが、三遠は集中を切らさなかった。ノックス不在のインサイドをアレン、チリジ・ネパウェが強引に突いてくるのに対し、イージーシュートを作らせない。堅守から速い攻めへと転じて、フィールドゴール8本成功のうち6本にアシストが付くパスワークからロバート・カーターが9得点を固め打ち。19-15と大ピンチの第3クォーターで逆にリードを広げた。

しかし、新潟もこのままでは引き下がらない。抑えられているパラスとアレンで強引に押すのをやめ、ノックス不在のインサイドを突くのは同じでも、バランス良くアタックするようになると三遠は守りどころを見失い、得点が伸びていく。残り6分、左からドライブを仕掛けた納見悠仁が右コーナーでオープンになった遠藤善を見逃さずにパスを送る。遠藤はこの試合唯一の3ポイントシュート成功をここで決め、第4クォーター頭の11点ビハインドから同点としてオフィシャルタイムアウトを迎えた。

ここからは三遠が先行するも新潟がぴったりと付いてくる展開に。アレンが3度のオフェンスリバウンドを奪い、それでも決まらないこぼれ球を遠藤が拾う新潟の分厚い攻撃を三遠が耐えきるなど、両チームの意地と意地がぶつかり合う。

ここで勝敗を決めるプレーを生み出したのは三遠の新戦力、松脇圭志だった。富山から加入した松脇はここまで新たなチームメートと呼吸が噛み合わず、初の先発起用となったこの試合でも見せ場を作れずにいたが、新潟のゾーンディフェンスをなかなか崩せない中で、その松脇が残り1分半と残り22秒で値千金の3ポイントシュート2本を沈めた。

新潟は最後の最後まで粘り続けるが、決めれば同点のアレンの3ポイントシュートがリングに弾かれて試合終了。三遠が85-82で新潟の猛追を振り切った。これで三遠も新潟も通算成績を2勝2敗としている。

三遠はカーターが22得点を記録。前半は11得点のノックスが目立ったが、ノックスがベンチに下がった後に良いポジショニングでパスを引き出し、後半だけで18得点を挙げてチームを救った。クラッチシュート2発の松脇はもちろん、トータルのプレータイムは16分ながら、大混戦のクラッチタイム約7分を託されてゲームをコントロールした山内盛久の渋い働きもあった。

一方の新潟も敗れはしたが、開幕前の低評価を覆すパフォーマンスを見せている。強力な外国籍トリオに超新星のコービー・パラスの存在感が目立つ中、納見と遠藤の若いガードコンビもこれから試合を重ねるごとに良くなっていく雰囲気がある。今日の試合では佐藤公威が短い時間ながら2本の3ポイントシュート成功を含む8得点と、苦しい時間帯でベテランの仕事を果たしている。