ホーム開幕戦は神奈川ダービー! 派手なオフェンス合戦を川崎が制す
2016/10/01 10:00

文=鈴木健一郎 写真=B.LEAGUE

辻が復帰、篠山がオフェンスを勢い付けた川崎が先行

東芝から川崎へと看板を掛け変えて、Bリーグでのホーム開幕戦を戦った川崎ブレイブサンダース。相手は横浜ビー・コルセアーズ、いきなりの神奈川ダービーマッチとなった。とどろきアリーナは平日ナイトゲームにもかかわらず3366人の観客が詰めかける大盛況で、試合も白熱の展開となった。

立ち上がりは横浜がパワーで押す展開。ファイ・パプ月瑠、ジェイソン・ウォッシュバーンがインサイドを力でこじ開けて得点を奪う。しかし、川崎もすぐに反撃。日本代表で負ったケガから復帰した辻直人が3ポイントシュートを決めて同点に追い付くと、オフェンスリバウンドを取ったジュフ磨々道からパスを受けた辻が再び3ポイントシュートを決めて逆転する。

インサイドを使った横浜の攻めにすぐにアジャストし、辻が派手なプレーで観客を魅了した後は、もう一人の得点源であるニック・ファジーカスがミドルレンジから正確なシュートを立て続けに決めてリードを広げていった。

第1クォーターを終えて27-18と川崎が大きくリード。この時点で6アシストを荒稼ぎしたポイントガードの篠山竜青は「三遠との開幕カードは2試合ともリードされるところから入ってしまったので、今日は出だしからスピードを生かしてトランジションで速い攻めをしようと自分の中で決めていました」と語る。「その中でみんなも走ってくれたので、序盤に良い流れが作れたと思います」

コンディションが万全ではない辻がベンチに下がっても、川崎の勢いは衰えない。第2クォーターもファジーカスを中心としたオフェンスでリードを広げた川崎は、49-35で前半を終える。

川村の意地、タフショットを次々と決めて猛反撃を演出

ところが後半になると、試合は一転して横浜のペースに。起爆剤となったのは川村卓也だ。後半開始早々に24秒のブザーとともに3ポイントシュートを沈めると、自らドライブしてファウルをもぎ取り、フリースロー2本を決めて点差を1桁に縮める。さらに川村の3ポイントシュート、フィッシュバーンの豪快なダンクで猛烈に追い上げる。ギャンブル的なタフショットを連続で決めた横浜が完全に勢いに乗った。

川崎の北卓也ヘッドコーチが「攻撃のことばかり考えて戻りが遅くなった」と反省する第3クォーターは12-24と圧倒され、61-59と川崎が辛うじてリードを保った状態で最終クォーターへ。

ここで川崎は目を覚ました。北ヘッドコーチが「控えの選手が3ポイントシュートを決めて、よく粘ってくれた」と振り返る、晴山ケビン、藤井祐眞、栗原貴宏の3ポイントシュートが決まり、食らい付こうとする横浜をふりほどく。ベンチから戻って来た辻がノールックパスでライアン・スパングラーのダンクを演出すると、次は自ら3ポイントシュートを決めて75-67と川崎が抜け出す。

しかし横浜もあきらめない。終盤に来てファジーカスのシュート確率が落ちたところを見逃さず、川村がまたもや強引な3ポイントシュートを連続でねじ込み、残り1分36秒の時点で81-80と1点差まで詰め寄る。

だが、川崎はここで篠山と磨々道をコートに戻して気を引き締める。相手のキーマンである川村を長谷川技がベッタリと密着マークしてボールに触れさせず、横浜のオフェンスを断ち切ると、ファジーカスがエースの執念で83-80と突き放す得点を奪い、さらには磨々道がレイアップを丁寧に沈めて85-80と突き放す。

残り30秒、横浜はタイムアウトを取って作戦を練るが、試合が再開してみればファウルゲームに持ち込むのかどうかはっきりせず、最後に山田謙治が3ポイントシュートを沈めるも及ばず、87-85で試合終了。川崎がうれしいBリーグ初勝利を手にした。

川村「バスケットを知らない、IQの低さが出てしまった」

前半は川崎のペースだったが、後半になって猛烈な追い上げを浴びての辛勝。第1クォーターに逆転してからは常にリードを保ち続けたが、試合運びは盤石と呼べるものではなかった。試合後、北卓也ヘッドコーチは「勝利が薬ですから」とまずは勝ったことを喜びながらも、「油断したわけではないが、ウチのミスだったりジャッジだったり、そこに我慢ができなかった。チームではなく1対1でバスケットをしてしまった場面もあった。そこは修正すべき箇所」と課題を語った。

篠山も試合をこう振り返る。「バスケには流れがあるので、どこかで横浜に流れが来るだろうとは感じていました。相手の個人能力の前に踏ん張れなかった。今日は接戦で勝ちましたが、本来は追い上げられても5点差ぐらいのリードは常に保っておきたい。そこは課題です」

横浜はこれで開幕3連敗。先のサンロッカーズ渋谷との2試合では60点台にとどまった得点が85まで伸びたのは評価できるし、後半の猛攻で川崎を追い詰めた展開には、ダービーマッチに駆け付けた横浜ブースターも手に汗を握ったはず。試合後は選手たちを拍手で称えるファンの姿があった。

それでも負けは負け。試合後の川村卓也は「個々のプレーでタフショットが今日は入りましたが、決してチームバスケットとして良いバスケットをやっているとは思いません」と憮然とした表情で語る。ファジーカスの31点、ウォッシュバーンの29点に次ぐ24点を挙げたが、個人成績に満足する様子は全くない。

「開幕節と同様に、相手にやられて追いかける、後手の展開になってしまったのが敗因です。自分たちでしんどい展開にしてしまった」と川村は言う。「リバウンドはイーブン、シュート確率はウチが上回っていて、それで負けたのは凡ミス、勝負どころの残り2分でリバウンドを取った後のターンオーバー2つ、最後にファウルをしなかったこと。自分たちがバスケットを知らない、IQの低さが出てしまった。バスケットを知っていたのは相手だったのかな、と思います」

それにしても、派手なオフェンスの応酬で、とどろきアリーナ初のBリーグ公式戦は大いに盛り上がった。3366人の観客は総じて目の前で繰り広げられるプレーに魅了されたはずだ。北ヘッドコーチは言う。「ここまでお客さんが入って試合をできたのは始めてじゃないかな。こういう雰囲気で試合ができるのは、選手にとっても120%の力が出せると思います。常に満員のフロアでバスケットができるよう、チケットを買って来てくれた人に『見に来てよかった』と思ってもらえるようなバスケットを、チームとしても個人としてもやっていかなければ」

川崎と横浜、両者のプライドが激突するダービーマッチは今日が第2戦。川崎市とどろきアリーナで15時試合開始となる。

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