満原優樹

文=丸山素行 写真=B.LEAGUE、鈴木栄一

「自分のポジションをしっかり確立するために」

アーリーカップ関東大会、サンロッカーズ渋谷は川崎ブレイブサンダースを73-69で下し、準決勝に駒を進めた。MVPには12得点11リバウンドのダブル・ダブルを記録した満原優樹が選ばれた。

「シュートもノーマークで打ったり、セカンドチャンスで打つ場面が多かったので。いつも練習してますし、決めるべくシュートを決めれたのでそれは良かったです」と満原は冷静に試合を振り返った。昨シーズン、ダブル・ダブルを記録した試合は一度もなかっただけに、もっと喜びを表現してもいいはずだ。だが決して浮かれず冷静に対応したのは、今シーズンへ懸ける強い気持ちがあるからだ。

元NBAプレーヤーのライアン・ケリー、帰化選手のファイ・サンバが新たに加入。SR渋谷のパワーフォワードのポジション争いは激化した。「それはシーズンが始まる前から分かってたことなので。自分のポジションをしっかり確立するためにも、まずチーム内の争いに勝つこと。練習試合だろうがアーリーカップだろうが、アピールは日頃から意識しています」と満原は言う。

満原優樹

川崎に快勝するも「勝たなきゃいけないゲーム」

また、満原は今シーズンのキャプテンに任命された。「キャプテンになったことで特に気持ちの変化はあまりないです」と言う満原だが、「昨シーズンよりも意識しています」とチームメートへの声掛けには変化が見られた。ベンチでも声を出し、コートでは率先してハドルを組んだ。

「ヘッドコーチからも言われてますし、求められてる以上はやらなきゃいけないので。ハドルを組んで共有意識を持つようにというのは意識してます」

川崎ブレイブサンダースは新シーズンの優勝候補筆頭とも呼ぶべき相手だが、見事に勝利した。「川崎は(ニック)ファジーカスがリハビリ中で、辻(直人)だったり(篠山)竜青さんもプレーしてないので、勝たなきゃいけないゲームだった」。そう話す満原の表情からは、やはり自分がやらないといけないという強い決意が読み取れる。

ルール改正によって、今シーズンは外国籍選手、帰化選手のプレータイムが伸びることが予想される。昨シーズンはオン・ザ・コート「1」の時間帯を主に任された中、思うような成績は残せなかった満原だが、今シーズンの飛躍が予感される。