「トレードされるかもしれない選手に伝えられることはある」
セブンティシクサーズは、2021-22シーズン開幕までにベン・シモンズをトレードする可能性がある。
ジョエル・エンビードとのデュオを軸にチーム作りを推し進めてきたが、その『プロセス』の終着地はNBAファイナルになりそうにない。エンビードもシモンズも個々では成長しているが、互いの良さを引き出せずに頭打ち感が強まり、どちらかを放出すべきではないか、という議論が以前から繰り返し出ている。
今、トレードの議論の対象になっているのは、昨シーズンのプレーオフで絶不調だったシモンズだ。シュートの不調が極まり、ハック戦術の餌食にもなってリズムを取り戻せず、最後はホームの観客からもブーイングを浴びることになった。失意のシモンズは球団関係者からの電話にも出ないそうだ。
一連の話を聞き、シモンズに救いの手を差し伸べようとしているのが、ベテランのダニー・グリーンだ。このオフにフリーエージェントになったグリーンは、シクサーズと再契約した。現地12日に会見に応じた彼は、シクサーズを支えるベテランの一人として、シモンズを取り巻く状況に自らアプローチするつもりだと明かした。
「最後にベンと話したのは独立記念日の時だった。彼には、リラックスする時間を与えないといけない。メディアを含めて大勢が彼のことを話題にしている。ベンはメールより直接顔を合わせて話すのを好むタイプで、何度かメールしたけど、返信はたまにあるくらいだった。この夏はフリーエージェントになって、結婚式の準備でいろいろと忙しく、まだ彼とは話せていないんだ」
「少し前に話した時には、独立記念日に家族とどう過ごしたとか、他愛もない会話をしたぐらい。結婚式が終わったらベンと話してみる。でも、自分を取り巻く状況を整理して、気持ちを切り替えてから話すべきだ。そして、もう一度立ち直る話をしたい」
トレードの噂はあれど、どのチームも新シーズンに向けた補強は進行しており、シモンズほどの選手を含む大型トレードの成立は日に日に難しくなってきている。それでも、依然としてシクサーズがシモンズをトレードする可能性がなくなったわけではない。グリーンは、「トレードされるかもしれない選手に伝えられることはある」と話す。
それは単純に、シクサーズでやり直そうという話ではないようだ。グリーンにも長く在籍したスパーズからラプターズにトレードされた経験がある。自分のキャリアにプラスになるように、あらゆる選択肢を検討するよう彼は勧めるつもりだ。「状況にかかわらずトレードをネガティブに考える人だって多い。でも、前向きに考えないといけないよ。他のチームが自分を求めてくれて、やり直すチャンスかもしれないからね」