ケビン・デュラント

「一丸となって完璧な結末を迎えたことに意味がある」

東京オリンピックの5人制バスケットボール競技は、男女ともにアメリカの優勝で終わった。男子は12人のロスター全員をNBAプレーヤーで固める豪華スター軍団だったが、2年前のワールドカップでは早期敗退を喫しており、大会初戦を落としていたことから、「噛み合えば強いが、その力を発揮できるのか」という点に疑問符が付けられていた。

優勝したことで過小評価が間違いだったことは証明できたのだが、優勝会見に登壇したヘッドコーチのグレック・ポポビッチ、ケビン・デュラントとドレイモンド・グリーンは、自分たちの力を疑問視したメディアを冗談混じりで批判した。

グリーンは今回の優勝が「今までに経験した中でも特別なもの」と語る。「大会が1年延期になって、いろんなことが起きた。家族を残してチームと一緒に行動して、仲間を失うこともあった。考えられる限り最もクレイジーな状況の中で、ここにたどり着くまでの道のりは本当に大変だった」

グリーンはこう続ける。「ライバルの国たちが成長しているとよく言われてきた。そしてアメリカのメディアで僕らはずっと批判されていた。だからこそ、今回の勝利は特別だね。僕にとっては最高の出来事になった」

それをポポビッチが「この会見場にいる多くの人がそうだね」と煽り、デュラントも「そうなんだよ」と乗っかった。「世界のバスケットがアメリカに追い付いて、優位性が失われているなんて話を『マジかよ』と思って見ていた。このスキルに追い付くことなんて、できやしないさ」

グリーンは「僕らはコーチ、トレーナー、選手が一体となって毎日仕事に打ち込んだ。最後までやり遂げよう、という目標を持って進んできたんだ」と、金メダル獲得に至る道のりを誇った。

デュラントはこう続ける。「僕らは最初のフランス戦に負けたところから、這い上がってきた。何があってもチームのために最善のことをしようと努力してきた。そうやって勝てたのは本当に素晴らしいことだ。勝つのは難しいと言う人もいたけど、そんなのはどうだっていい。批判や疑問を耳にしながら、僕たちが一丸となって完璧な結末を迎えたことに意味がある。だから、このメダルを故郷に持ち帰るのを楽しみにしているよ」