ネマニャ・ビエリツァ

「個々のタレント力だけでこういう大会は勝てない」

セルビア代表は自国開催の世界最終予選(OQT)でドミニカ共和国、フィリピン、プエルトリコを危なげなく撃破し、自信満々で最終戦のイタリア戦を迎えた。OQTは参加5カ国のうち1チームにしかオリンピック出場権が与えられない厳しい大会だが、リオ五輪でファイナルまで勝ち上がり、金メダル獲得を狙うセルビアにとっては通過点でしかない。NBAでシーズンMVPに輝いたニコラ・ヨキッチが代表参加を辞退してもなお、十分な実力を持っていたはずだった。

しかし、勝負はやってみなければ分からない。下馬評では圧倒的優位とされたセルビアがリードしたのは第2クォーターの数分だけ。前半のラスト2分半で5本の、後半も立ち上がりから1分で2本の3ポイントシュートをねじ込まれ、45-63と突き放された。ここから極端にテンポを落とすイタリアの老獪な試合運びにも手を焼き、最終クォーターに32得点の猛反撃を見せるも届かず、95-102で敗れた。

ネマニャ・ビエリツァは22分のプレーで5得点と不発に終わり、試合後の会見ではがっくりと肩を落としてこう語る。「恥ずべき負け方だと言わなければ嘘になる。僕はこのチームのベテランの一人として、この試合に向けた準備が十分でなかったと認めなければいけない。100%の力を出さなければ勝てない試合だと分かっていながら、それができなかった」

彼はこう続ける。「オリンピック出場を逃したことを、何らかの形でチームのプラスに繋げなきゃいけない。忘れちゃいけないのは、個々のタレント力だけでこういう大会は勝てないということだ。チームとしてイタリアが上回っていたと認めるところからの再スタートになる。長い夏になるけど、僕はプレーヤーとしての責任に向き合うつもりだ。応援してくれたみんなに謝りたい。僕らの国は小さい。オリンピックで活躍して国民の良いお手本になりたかったのに、期待を裏切ってしまった」