比江島慎

「ワールドカップの反省点はあまり改善できていなかった」

バスケットボール男子日本代表は『アジアカップ2021予選』で中国に57-66で敗れた。

比江島慎が「相手がピックに対してハードに守ってきて、そこからうまく展開できずに点数が伸び悩んでしまって、難しい時間帯が多かった」と語ったように、出だしでつまずき、追いかける展開が最後まで続いた。

ワールドカップで世界との差を痛感させられて以降、日本が世界の強豪国と対戦するのはこれが初めてだった。特にワールドカップ経験者はBリーグでプレーしている段階から常に世界を意識するようになったが、比江島は「オフェンスに関しては、正直ワールドカップの反省点はあまり改善できていなかった」と語った。

比江島がそう振り返るのも無理はない。日本は中国の激しいディフェンスに追い込まれ、ピック&ロールでズレを作ることができなかった。フィジカルで後手を踏み、ディナイ気味に守る相手を振り切れず連動したチームオフェンスに繋げられなかった。比江島も「外でしかボールが回っておらず、(フリオ)ラマスのバスケットはペイントタッチが基本なのでなんとかゴール下付近に侵入していきたいと思っていた」とベンチから見ていたという。

比江島はそのミッションを遂行し、アタックを開始した。なかなかフィニッシュまで持って行けなかったが、自身のキックアウトから張本天傑の3ポイントシュートが生まれるなど、オフェンスを活性化させた。最終クォーター残り4分には、最大で22点あった点差を7点に縮める3ポイントシュートを成功させるなど、比江島はチームハイの12得点を挙げる意地を見せた。

それでも、チームワーストの6ターンオーバーも喫し、自身のパフォーマンスをこのように総括した。「今日は激しいディフェンスから早い展開に持っていかないと点が取れなかった。良い流れの時間帯もあって手応えを感じているけど、大事な場面でターンオーバーをしてしまったので、もっと強く行くべきだったと思う」

収穫を挙げるのであれば、中国を66点に封じたディフェンスだ。ラマスヘッドコーチも「特に中国はアジア、オセアニアでもトップクラスのチーム。ディフェンスは評価できる」と語り、比江島も「ハードにボールマンプレッシャーができていた」と同様の感想を口にした。

日本は明日にチャイニーズ・タイペイと戦い、明後日には再び中国と対戦する。比江島はイメージはつかめたと言わんばかりに勝利への自信をのぞかせた。「正直、新しい代表として初めての試合だったので、試合の中で試していくところはありました。今日である程度みんなも分かったと思うので、よりディフェンスをハードにやって、オフェンスはもっとペイントエリアにタッチして良い流れができるように。修正できると思っています」