レブロン・ジェームズ

過密日程を強行したリーグを批判「こうなることは分かっていた」

カワイ・レナードはこれから行われるジャズとのカンファレンスセミファイナル第5戦を欠場する。

2日前の第4戦でクリッパーズは118-104で勝ち、シリーズ成績を2勝2敗のイーブンに戻していたが、34分出場で31得点を挙げたカワイ・レナードは試合中に右膝を気にする素振りを見せていた。試合後の会見でこのことを質問されると「問題ない」とだけ答えていたが、実際にはこの時点でチームメートに「次の試合には出られないと思う」と告げていたそうだ。

復帰時期は明らかになっていないが、前十字靭帯の損傷の疑いがあり、そうであればこのままシーズン全休の恐れもある。離脱期間が短くて済んだとしても、クリッパーズにとっては大打撃だ。

昨シーズンの『バブル』を終えて、わずかなオフを挟んで年末に始まった今シーズンは、オリンピック前にNBAファイナルを終え、翌シーズンからは通常のスケジュールに戻すために『超』が付く過密日程となっている。懸念されていた通り、ケガ人が続出しているのが現状だ。今回のプレーオフは、レブロン・ジェームズとアンソニー・デイビスが故障を抱えたレイカーズが脱落したのを皮切りに、『健康なチームが勝つ』様相を呈している。

この状況でレブロンは「彼らはシーズンが始まるにあたって、僕の話を聞こうとしなかった。こうなることは分かっていたのに」と、リーグのやり方を非難するツィートを投稿した。

「僕は選手の健康を守りたかった。それは結局はNBAの価値と利益に繋がるんだ。これらのケガは単なる『試合の一部』では済まされない。ただ単に休養が足りないから起きているものだ。8人も9人ものオールスター選手がプレーオフの試合を欠場している。リーグにとってもファンにとっても一番盛り上がる時期なのに、お気に入りの選手がごっそり欠けている。これは狂気の沙汰だ。1年を通してNBA選手の身体がどう動いているかを僕は知っている。僕はすべての選手の健康を代弁しているんだ。この時期にこれほど多くのケガを見たくはない。ファンがお気に入りの選手を見ることができないのは残念だ」

今のNBAで最大のスター選手であるレブロンのこの投稿は無視できない。リーグはすぐに声明を発表し、「今シーズンのケガの発生率は2019-20シーズンとほぼ変わりません。スターターの選手やオールスター選手がケガで欠場する割合は、過去3シーズンとほぼ同じです」と釈明している。

しかし、『エリアス・スポーツ』の調査によれば、オールスター選手の欠場は1944試合中370試合にもなり、19%という数字はNBA史上最も高いとのこと。NBAは選手会との合意の上ですべてを進めており、「選手の意見を無視した」というレブロンの非難には無理もあるが、選手たちがレブロンと同様に不満を持つのは間違いない。