篠山竜青が総括する川崎リーグ4強&天皇杯優勝の2020-21シーズン「個人のプレーには全く満足できていません」

篠山竜青が総括する川崎リーグ4強&天皇杯優勝の2020-21シーズン「個人のプレーには全く満足できていません」

2021/06/07 12:00
篠山竜青

「コートでもっともっとチームを救える存在になりたい」

川崎ブレイブサンダースの篠山竜青が先日、オンライン会見で今シーズンを振り返った。川崎はBリーグ誕生後では初のタイトルとなる天皇杯制覇を達成したが、チャンピオンシップではセミファイナルで宇都宮ブレックスに連敗し2冠を逃した。悔しさとともに終わった2020-21シーズンを、篠山はこう総括する。

「序盤は本当に苦しみました。ケガ人も多く、ビッグラインナップがなかなか機能しなかった。昨シーズンのようなイメージで戦っているはずなのに、みんなのシュートタッチが上がらない。そういう状況の中でもひとつ一つ課題に向き合うことで乗り越えられました。そしてビッグラインナップがあそこまで機能して天皇杯の優勝にも届きました。苦しみながらもみんなで成長できたシーズンで、充実した部分も多くありました」

こう手応えを語る篠山だが、同時に宇都宮への敗戦で痛感した部分もあった。このシリーズでの川崎は、宇都宮がチャンピオンシップでほぼぶっつけ本番で起用したビッグラインナップに対応できずリズムを崩され、これが大きな敗因となった。

だからこそ篠山は言う。「もう1段階、自分たちがやるべきことを遂行する力を高めないといけない。アウェーの独特な空気など、どういうことがあっても折れずにやりきる。相手に今までやってこなかった戦術を急にやられてもその上をいく対応力をつける。そうなっても自分たちのやってきたことを貫き通すのか、どういう形で戦えば勝てるのか。そういう部分を見つめ直し来シーズンに生かせていければ、またてっぺんを目指していけると思います」

そして、篠山個人でいえば、左肘の関節脱臼によって長期離脱を余儀なくされた昨シーズンのこともあり目標に掲げた『ケガなくシーズンを乗り切る』ことは達成できた。ただ、それ以外については、「個人のプレーには全く満足できていません。自分自身が苦しんだシーズン、チームを助けることができなかったです」と反省しきりだった。

実際、チャンピオンシップの出場時間は、強度の高いディフェンスを貫くためタイムシェアを行うチーム戦略があるにしてもクォーターファイナルの大阪戦を合わせ、4試合すべてレギュラーシーズンの1試合平均20分を下回った。また、天皇杯セミファイナル、ファイナルもともに15分の出場に留まり、大一番でコートに立つ時間は決して多くなかった。

「シュートの試投数、平均得点は下がりましたが、アシストの数は出場時間がなくてもリーグの中では上位の数字を残せました。そこに対してはある程度、自分の成長になりました」と語るプラス材料はあったが、それ故に痛感したものがある。「だからこそ、もう少し決定的なシーンであり、チームが苦しい状況で自分のシュートで繋いでいくようなオプションをつけることができれば、チームがもう少し楽に戦えたと思います」

篠山竜青

盟友、辻直人の移籍には「お互いもう一回活躍できるよう頑張ろうぜ」

不動のキャプテンを務めている篠山だが、リーダーシップの部分についても修正すべき点があると考える。

「悪い部分と感じたのはチームが上手くいかない時に自分も一緒になって、しかも人一倍考え込んで苦しむところです。年齢的にもベテランなので、この歳になってもいまだに一緒になって落ち込んでいるのはコート上のリーダーとしてそろそろやめないといけない。前半戦のチーム事情に引っ張られて自分自身もなかなか調子も上がらずに最後まで来てしまいました。そういう時、自分でスイッチを入れ替えてチームを引っ張るためできることにフォーカスしないと、もう一つ上の段階の成長は臨めないです」

新シーズンに向け、チームの陣容はまだ確定していないが、それでも盟友である辻直人の移籍という大きなニュースはすでに発表されている。篠山は「9年間一緒にやってきた仲良しが転校したら寂しいですよね」と表現し、こうエールを送っている。

「これはちょっとブラックジョークかもしれないですけど、ここ数年を振り返るとどっちかがケガしていない時、どっちかが活躍している皮肉な背景もあります。お互い一回離れて、もう一回活躍できるよう頑張ろうぜという前向きなメッセージです(笑)」

辻は移籍に際し、「『辻直人の第二章』がここから始まります」とコメントを出しているが、それは篠山も同じことだろう。当然だが、すべての選択にはリスクがある。移籍だけでなく、同じチームでプレーを続けながら己を高めていくことも一つのチャレンジだ。長年、主力を担いその明るいキャラクターでチームに大きな影響を与えていた辻が抜けることは篠山、そして川崎にとっても来季は新しい章の幕開けを意味する。

篠山にとっては「強い川崎が戻ってきた中、コートでもっともっとチームを救える存在になりたい」と断固たる決意を持って王座奪還へと挑むシーズンとなる。そして、前述のように、勝負どころや苦しい時間帯に篠山が得点する機会が増えることは、川崎のさらなる進化をもたらしていく。

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