ドノバン・ミッチェル

モラントに47得点を許すもチームバスケで上回る

プレーオフファーストラウンド、ジャズvsグリズリーズの第2戦。復帰したドノバン・ミッチェルがプレータイムを抑えながらもチームハイの25得点を記録し、チームで19本の3ポイントシュートを成功させたジャズが141-129で勝利。シリーズを1勝1敗のタイに戻した。

序盤からミッチェルが違いを生んだ。ウォリアーズとのプレーイン・トーナメントでステフィン・カリーを苦しめたディロン・ブルックスのマークを寄せ付けず、3ポイントシュートにドライブと内外から得点を量産。ミッチェルに牽引されたチームはルディ・ゴベアがインサイドを支配すると、エクストラパスからジョー・イングルスが外から射抜き、ボーヤン・ボグダノビッチがドライブから得点するなど、バランスの良いオフェンスを披露した。

ジャズは個人技を止められずジャ・モラントに22得点を許したが、デモン・ブルックスとヨナス・バランチュナス、ジャレン・ジャクソンJr.の先発3人からそれぞれ3ファウルを誘発するなど、隙のないバスケを展開して、74-54と大量リードを奪って前半を終えた。

このままジャズが圧勝するかに思われたが、若さが持つ爆発力を見せたグリズリーズがここから猛追する。モラントは3ポイントシュートにドライブからのフローターと前半の得点ペースを落とさない。ブルックスはミドルシュートに加え、合わせや速攻と多彩なフィニッシュ方法で得点を量産した。また、バランチュナスがデリック・フェイバーズとの1on1を制しペイントで得点を重ね、ゴベアとミッチェルがいない時間帯に一気に点差を詰めた。

しかし、6点リードで最終クォーターを迎えたジャズがリーグ最高勝率の強さをここで見せつける。この試合で何度も見られた、マイク・コンリーのアタックからのゴベアのアリウープが連続で決まり、ミッチェルがトランジションから3点プレーを獲得。さらに、ゴベアがバランチュナスからテクニカルファウルを引き出し、コンリーが3ポイントシュートを沈める爆発力を見せた。フリースローで失点はしても、リムプロテクターのゴベアを中心とした堅守が戻り、フィールドゴールは許さない。そして、連続でセカンドチャンスを奪い、開始3分半でリードを17点に広げた。

そして、ゴベアのブロックショットやコンリーとミッチェルのテイクチャージなど、要所でディフェンスが機能したジャズが2桁以上のリードを保ち続けて押し切った。

ジャズは出場した9人中7人が2桁得点を挙げるバランスの良いオフェンスを展開。コンリーは20得点15アシストを記録し、プレータイムが制限されたミッチェルがいない時間帯に試合を支配した。

一方のグリズリーズはモラントが43分間のプレータイムで47得点を記録。終盤はガス欠を起こして得点ペースが落ちたが、ジャズに傾きかけた流れを個人で引き戻し、ジャズの一方的な展開にさせなかった。ファウルトラブルに陥ったバランチュナスは後半に巻き返し、18得点を挙げてインサイドで奮闘。ホームの笛に苦しんだが、集中力を切らさずに戦い続け、好ゲームを演じた。

ミッチェルが復帰し、シリーズをタイに戻したジャズ。ミッチェルの調子がさらに上がれば、下馬評通りにジャズが優勢となるだろう。それでも、モラントを筆頭とした爆発力は侮れず、一波乱あってもおかしくないと思わせる内容だった。