ドウェイン・エバンス

試合途中に肩を痛めるも、クラッチタイムに大仕事

琉球ゴールデンキングスは昨日、チャンピオンシップのセミファイナル第2戦で千葉ジェッツを84-78で撃破し、運命の第3戦へと持ち込むことに成功した。試合終盤、息が詰まりそうな熱戦の中、勝負どころで得点を重ねてエーススコアラーの役割をしっかり果たしたのが琉球のドウェイン・エバンスだった。

第4クォーター中盤にはルーズボールを巡る争いで左肩をコートに強打し、ベンチに下がることを余儀なくなされたエバンスだが、残り4分19秒、ファウルアウトとなったジャック・クーリーと入れ替わる形でコートに戻る。ここからエバンスは攻撃の軸としてゴール下へのアタックを続けるが、痛めた肩が影響してシューティングファウルを2回誘発して得た4本のフリースローのうち3本を外してしまう。だが、1点を追いかける残り34秒にドライブからバスケット・カウントをもぎ取ると、今度はしっかりとボーナススローを成功させ、チームを逆転勝利へと導いた。

「軽く抜けたような瞬間がありましたが、その後は問題なくプレーできたので大丈夫」と、負傷した肩の具合について語ったエバンスは、チーム一丸となってつかんだ勝利だと強調する。

「一つひとつのところで、全員でステップアップできました。ビッグマンは昨日よりボックスアウトをよくできて、相手のオフェンスリバウンドを減らせました。千葉を気分良くプレーさせず、悪いシュートを打たせることに繋がったと思います。ジャックがいなかったのは苦しかったですが、不安はありませんでした」

終盤における自身のプレーについては「肩の痛みは感じていましたが、ジャックが退場していたのでシュートを決めることしか考えていなかった」と振り返る。

ドウェイン・エバンス

ファイナル進出を見据え「クラブ、沖縄の皆さんに恩返しがしたい」

また、万全の状態ではなくフリースローを外すなど、フラストレーションが溜まってしまうような場面でも、冷静さを保ち続けたとエバンスは言う。それは残り34秒からのドライブが何よりも示していた。あの場面、もともと右からのドライブを得意とし、さらに左肩を負傷していることからエバンスのマークについていた千葉のセバスチャン・サイズは、明らかに右からのアタックを警戒していた。ここでエバンスは、「左が空いていたので、肩を気にせずにアタックしました。冷静に判断できました」と、左側から仕掛けて左手でのシュートを沈めた。

会場でのヒーローインタビューで流暢な日本語を披露したエバンスは、会見でも「毎日、勉強しています。日本語はとても面白いです」と語り、少しでも沖縄に溶け込もうとコート外でも日々努力している成果を見せた。

加入1年目だが、チームとファンへの忠誠心は高く、第3戦へ向けこのように意気込んだ。「明日は大きな試合で、このチャンスは自分たちでつかみ取ったものです。クラブ、沖縄の皆さんに恩返しがしたい。そのためにもファイナル進出へ向け、気を引き締めて戦っていきたいです」

201cmのエバンスは、千葉のギャビン・エドワーズ、サイズ、ジョシュ・ダンカンの強力インサイド陣に比べると高さでは劣ってしまう。だが、ゴール下ではリバウンドに絡み続け、オフェンスではスピードのアドバンテージを生かしたアタックで、相手ビッグマンにプレッシャーを与えることが求められる。

肩の負傷があり、コンディションが万全ではない。それでも琉球のファイナル進出には、エバンスの攻守に渡る奮闘が不可欠だ。そのための断固たる決意を、彼はしっかりと持っている。