終盤には琉球の猛攻を食らうも、ショーターの3ポイントシュートで逃げ切る
千葉ジェッツがチャンピオンシップのセミファイナルで、琉球ゴールデンキングスと対戦。19オフェンスリバウンドを奪い、23セカンドチャンスポイントとゴール下の肉弾戦を制して、第1戦を96-85で攻め勝った。これで千葉は3シーズン連続でのファイナル進出に王手をかけている。
最初のポゼッション、琉球は岸本隆一の3ポイントシュートと理想的な出だしとなるが、千葉もジョシュ・ダンカンによる得意のインサイドアタックを見せ、10-10と互角の立ち上がりとなる。その後、2度に渡って会場が暗転する照明トラブルにより一時中断のアクシデントが起こるが、両チームとも集中力を切らさずに五分五分で終える。
第2クォーター序盤、琉球が外国籍選手1人でゾーンディフェンスを敷いた時間帯に、千葉はサイズの有利を生かしギャビン・エドワーズがオフェンスリバウンドから押し込んでバスケット・カウントを奪った。さらに空いたスペースをシャノン・ショーターが飛び込んでレイアップを決めて突き放す。千葉はこのクォーターのオフィシャルタイムアウトに入る前の時点で7つのオフェンスリバウンドと、まさにゴール下を制圧することで37-25とリードを広げる。
だが、ここから琉球も千葉にセカンドチャンスを与えても食らいつき、タフショットを打たせ続ける粘りのディフェンスを展開。オフィシャルタイムアウト明け以降は5失点に抑えると、田代直希、岸本の連続3ポイントシュートが飛び出し、42-41と1点差まで追い上げた。
だが、千葉は引き続きゴール下で優位に立ち続け、第3クォーターもセバスチャン・サイズ、ダンカンとインサイド陣がゴール下で得点を重ねると、ハーフコート付近でのトラップディフェンスからターンオーバーを奪って得点し流れに乗る。そして第4クォーター残り7分には、本日11得点と活躍したコー・フリッピンのシュートで82-64と大量リードを奪った。
それでも琉球はこの劣勢にも集中力を切らさずに戦い続けた結果、千葉のミスにも助けられ、ターンオーバー奪取からジャック・クーリーが速攻で豪快なダンクを叩き込むなど残り1分45秒には3点差に迫った。しかし、直後に千葉はショーターが値千金の3ポイントシュートを沈めて、そのまま粘る琉球を振り切った。
藤田ヘッドコーチ、第2戦に向け「全員で一丸となってやっていく」
試合後、千葉の大野篤史ヘッドコーチは「勝ちきれたことにホッとしています。ただ、一つ勝っただけでは次がないので、もう一つ勝てるように明日に向けてしっかり準備をしたいと思います」と勝利の余韻に浸ることは全くない。
この試合での千葉の一番の勝因は、23-13となったセカンドチャンスポイントと、フリースローの得点で22-13と自分たちの強みをしっかり発揮した部分だ。
この2つのアドバンテージを導いたのは、今日も19本のオフェンスリバウンドを挙げたように、エドワーズ、サイズ、ダンカンの強力インサイド陣を軸にチーム全員がリバウンド、ルーズボールを取りに行っているからこそ。そこには指揮官も手応えを感じている。「チャンピオンシップでは一つのつかめるボールを取れなかったり、フィフティ・フィフティのボールを追いかけなけなかったことで負けてしまう。そういう危機感を持って戦うことへの意識を植えつけてきました」
「今シーズンは3ポイントシュートが入らない時期もありました。どこで勝ちを見いだしていくかというと質より量のところで、多くのフリースローをもらう。そのために身体を張らないといけない。多くのポゼッションが必要なところで、勝ち切れているのは、選手たちもそれを理解してしっかりやってくれたからだと思います」
一方、琉球の藤田弘輝ヘッドコーチは「選手たちはハードワークし続け全力でプレーしていたと思います」と奮闘ぶり称える。それでも届かなかった勝利をつかむためにこう語る。「明日はもう少し頑張らないといけないです。そのもう少しを全員で一丸となってやっていくことです」
琉球が勝つには千葉インサイドアタックをいかに食い止められるか。そのために、いかにチームで守れるかが何よりも重要となってくる。
「千葉さんは強靭なビッグマン3人が、均等なプレータイムでフレッシュな状態でずっとアタックしてきます。僕らにはない強みで、そこでビッグマン同士のマッチアップをしてしまうと相手の方が強いので、ガード陣も含めて全員でカバーして取り切って僕らの流れのオフェンスに繋げていきたいです」
ただ、この点について今日も前半ではフリースロー17本を与えていたのが、後半は最後のファウルゲームを除けば4本のみ。オフェンスリバウンドも前半13本許したのが、後半は6に抑えた。この良い兆しをいかに明日の試合の出だしへと繋げていけるかが、勝負の明暗を分ける大きなポイントだ。
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