ザイオン・ウイリアムソン

球団幹部が会見「彼はペイント内で徹底的に痛めつけられている」

ザイオン・ウイリアムソンのNBA2シーズン目は、ラスト5試合を残して終了となった。セブンティシクサーズ戦の遠征に出発する前の診断で、左手の薬指を骨折していることが判明。今シーズン中の復帰は絶望となった。

『ESPN』は、5月4日のウォリアーズ戦でリバウンドを競った際に骨折したとの見方を示している。相手選手との接触があり、その時点でザイオンは左手を押さえて痛そうな素振りをしていた。ペリカンズのバスケットボール運営部門バイスプレジデントのデイビッド・グリフィンは会見で「これは避けられたケガだ。我々はザイオンを守ることができなかった」と語る。

「これまで審判部には映像を送ったり話したりしてきたが、ザイオンを巡るジャッジは変わらなかった。彼はペイント内で徹底的に痛めつけられている。あれほどやられるのはシャキール・オニール以来だろう。当時もひどいものだったが、今も変わらない。相手選手が『ファウルにならないから、ずっとやってやるぞ』とザイオンを挑発するぐらいだ」

ザイオンのフリースロー試投数はリーグ4位の8.7で、ジョエル・エンビード(11.1)、ヤニス・アデトクンボ(9.5)、トレイ・ヤング(8.8)に続く数字だ。ヘッドコーチのスタン・ヴァン・ガンディはこれを「トップであるべきだ」と言う。「彼はいつもひどいディフェンスをされているよ。審判がそれを放置することが多すぎる」

そしてグリフィンは、今シーズンのザイオンが一度もテクニカルファウルをコールされていないことにも言及した。「毎晩のようにひどいプレーを受けているのに、彼はリーグのルールを守って礼儀正しくプレーし、審判に敬意を払っている」。だから、ザイオンへのラフプレーを厳しく見てほしい、ということだ。

シクサーズ戦ではザイオンだけでなく、ブランドン・イングラムにスティーブン・アダムズ、ニキール・アレクサンダー・ウォーカー、ジョシュ・ハートと多くの選手が欠場。チームは善戦したが107-109で敗れている。プレーイン・トーナメント進出は数字上の可能性は残っているが、もう絶望と言わざるを得ない。

最後の出場となったウォリアーズ戦の後、ザイオンは会見でドレイモンド・グリーンとのマッチアップについて問われ、「バスケを知り尽くしているIQの高い選手で、自分のフィジカルとリーチを生かしてファウルせずに守ることができる。僕自身もゲームを通じて彼から学びたい。フィジカルが強いプレーヤーはたくさんいるけど、IQのある選手は決して多くない。その点で彼をリスペクトしているんだ」と評している。

逆に言えば、グリーンのようにIQの高くない選手はザイオンを潰しに来るのだろう。NBAの将来を担うと言っても過言ではないザイオンを悪質なファウルの被害者にし続けてはならない。「守ってやれなかった」との悔いが大きいからこそ、ペリカンズはわざわざ会見まで開いて、ジャッジを変えようとしている。