安藤誓哉「しっかりと受け止めないといけないという気持ち」
B1は中止になった代替試合が5月10日まで組まれているが、本来であればこの週末が最終節。5日1日の結果により大阪エヴェッサと富山グラウジーズのチャンピオンシップ進出が決定し、8チーム中7チームが進出を決めた。
それと同時に、チャンピオンシップ進出の道が閉ざされたのがアルバルク東京だ。昨日、敵地での千葉ジェッツ戦に敗れて通算成績が32勝22敗となり、ワイルドカードの2枠から外れることになった。昨シーズンは新型コロナウイルスの影響で優勝チームが決まらなかったが、それ以前の2シーズンで連覇を成し遂げている。
2017-18シーズンは東地区2位、2018-19シーズンも東地区3位と、レギュラーシーズンの勝率でトップだったわけではないが、短期決戦のチャンピオンシップとなると無類の強さを発揮。これはヘッドコーチのルカ・パヴィチェヴィッチによる『勝つための采配』の妙があり、なおかつそれをコート上で遂行できるチーム力の高さがあった。しかし、今シーズンはその強さを発揮する場に立つことができない。
振り返れば今シーズンのA東京は新型コロナウイルスの影響に振り回され続けた。開幕前の時点でチーム内に感染者が出て、準備期間をまともに過ごせないまま開幕を迎えた。コロナに関連してデション・トーマスのチーム合流が遅れ、また主力選手にケガも相次いだ。ここまで54試合を消化したが、全試合に出場しているのは安藤誓哉のみ。その彼も今シーズンはベンチスタートに回ることが多い。田中大貴は44試合、アレックス・カークは35試合、今シーズンにブレイクしてチームにエネルギーをもたらした小酒部泰暉も指の骨折で約2カ月の戦線離脱があり37試合の出場に留まっている。
最大の痛手となったのはカークのケガだ。在籍4シーズン目で『強いA東京の大黒柱』であるカークは腰の痛みを押しながらなかなか勝てないチームを支え続け、2月10日の千葉戦まで35試合すべてに先発出場を続けていたが、そこでついに戦線離脱。3月12日の天皇杯準決勝に出場したが、プレーできる状態ではなかった。その直後に腰椎椎間板外側ヘルニアでインジュアリーリスト入りし、その後はコートに立っていない。
シーズン中にも選手の新型コロナウイルス感染があり、3試合が代替を組むことができず消滅。試合数が減れば、逆転でのチャンピオンシップ進出の可能性は下がる。さらに東京都の緊急事態宣言が追い打ちをかけ、4月25日以降のホームゲームが無観客となり、ホームコートアドバンテージまで失った。
盤石の安定感が売りのチームであるA東京がチャンピオンシップ進出を逃すのは予想できなかった。キャプテンの安藤誓哉はこうコメントしている。「チャンピオンシップ進出の道が閉ざされて、正直悔しい気持ちと、これをしっかりと受け止めないといけないという気持ちがあり、残り3試合は選手個々もそうですが、チームとして積み上げてきたことをできるだけ多く出せるかが、次に進むために非常に大事だと思いますし、それが今まで応援してくれた人たちのためにできる唯一のことだと思っています」
田中大貴も「自分たちにとって非常にタフなシーズンだと感じています」とコメントしている。「なかなかチームとしての積み上げができず、まだシーズンは終わっていませんが、自分たちの思うような結果がついてこなかったシーズンになり、ただ、それが現実で、しっかりと一人一人がそれを受け止めて、残りの試合を戦わなくてはいけないと思っています」