前半をリードするも、第3クォーターにブラックアウトした名古屋D
宇都宮ブレックスvs名古屋ダイヤモンドドルフィンズの第2戦。前半は拮抗するも、攻守が噛み合い第3クォーターを25-4と圧倒した宇都宮が80-61で勝利し、チャンピオンシップ進出を決めた。
宇都宮は第1戦で負傷した遠藤祐亮がベンチ外となり、名古屋Dも齋藤拓実が家庭の事情により帯同せず、ベストメンバーが揃わなかった。序盤はジェフ・エアーズとライアン・ロシターがインサイドで得点を取り合い、互いに高確率で3ポイントシュートを決め合う互角の展開となったが、安藤周人が3ポイントシュートのブザービーターを決めたことで名古屋Dがわずかにリードした。
第2クォーターに入り、6連続得点を許して逆転された名古屋Dだったが、狩野祐介が一瞬の隙を突いて3ポイントシュートを沈めて悪い流れを止めると、中東泰斗が連続で速攻から得点し、36-32と再び逆転して前半を終えた。
ここまでタフな守り合いで拮抗していたが、後半に入りディフェンスのギアを一段階上げた宇都宮が圧倒的なパフォーマンスを見せる。ボールマンへのプレッシャーを強めることでボールラインを下げさせず、インサイドに起点を作らせない。その結果、名古屋Dはガード陣のタフショットが目立つようになり得点が止まった。さらに名古屋Dは開始3分半でチームファウルが4に到達し、前半のようなフィジカルなディフェンスができなくなった。
こうしてディフェンスから流れをつかんだ宇都宮は次々とアウトナンバーを作り出すと、トランジションオフェンスが爆発した。LJ・ピークが速攻の先頭を走りシールからゴール下のイージーシュートを記録すれば、ロシターも確実にフリースローを獲得。比江島慎もフリーの3ポイントシュートをしっかりと沈めるなど、怒涛の攻撃を繰り広げた。勝負どころを見極め一気に畳みかけた宇都宮はこのクォーターを25-4と圧倒。最終クォーターの出だしには、テーブス海が速攻からの3ポイントシュートにレイアップと連続得点を挙げて7-0と走った。こうしてリードを20の大台に乗せた宇都宮がそのまま勝利している。
「ファンの皆さんと一緒に戦っていくのがウチのスタイル」
名古屋Dの梶山信吾ヘッドコーチは「宇都宮さんのディフェンスの強度が上がって、オフェンスが良い形で終われなくなってしまい、走られました。一気にアドバンテージを作られて、そこで冷静さを失ってしまってズルズルといってしまった。前半は良い戦いができましたが、後半は完全に力負けです」と試合を振り返った。
梶山ヘッドコーチがそう言うように、前半は名古屋Dがリードした。宇都宮の安齋竜三ヘッドコーチは前半に苦戦した理由をこのように語った。「ズレが作れないままオフェンスをし、それを繰り返していて良い流れにならなかった。一人ひとりがリングに向かおうとしていないのが僕の中では見えて、ただ自分たちのきれいなバスケットをやろうとしていた」
それでも、「ディフェンスの強度は第3クォーター出だしからかなり高かったですし、そこから流れを作れるのがウチの特長」と、攻守ともに圧倒して一気に勝負を決定付けた第3クォーターを振り返った。
この勝利で宇都宮のチャンピオンシップ進出が決定した。それでも、「ホームでファンの皆さんと一緒に戦っていくのがウチのチームのスタイルです。ホームで3回くらいしか負けていないですし、それは結果にも表れています」と安齋ヘッドコーチが言うように、ここで一息つくのではなく、地区優勝のアドバンテージを全力でつかみ取りに行くつもりだ。
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