2件とも相談窓口に通報があったことから発覚
Bリーグは今日、2件の規約違反による制裁決定を発表した。
制裁対象者は新潟アルビレックスBBの代表兼GMの小菅学と、愛媛オレンジバイキングスの庄司和広ヘッドコーチ、株式会社エヒメスポーツエンターテイメントと開大輔代表兼GMだ。
新潟の小菅代表は、2021年1月30日の試合後にチームホテルにて約2時間20分にわたってスタッフと面談した際に、同スタッフに対し侮辱的、人格否定的、恫喝的な発言を行ったという。翌1月31日には前述の面談によって不安定な精神状態に陥っている同スタッフに対し、反省文を強要した。
これに対してリーグは「代表取締役社長兼GMという強い優位性を背景に、指導などの適正な範囲を超えて精神的、身体的苦痛を与え、またチーム環境を悪化させる行為であることからパワーハラスメントに該当し、規約に違反する行為である」とし、小菅代表にけん責及び制裁金50万円を科した。
事の発覚の流れとしては、2020年12月30日にBリーグが設置する『B.LEAGUE通報相談窓口』に小菅代表の行為がパワーハラスメントに該当するのではないかとの通報が入ったことで、リーグは調査を進め、関係者に対して慎重にヒアリングをした後に事実認定を行い、本制裁決定に至った。
「こういった発表をすることで再発防止に繋げていきたい」
愛媛の庄司ヘッドコーチには、3カ月間の公式試合にかかわる職務全部の停止が科された。2020年12月26日にBリーグが設置する『外部の弁護士通報相談窓口』に、庄司ヘッドコーチの行為がパワーハラスメントに該当するのではないかとの通報が入ったことから事が発覚した。リーグが調査を進めたところ、複数の選手が暴力、暴言、ハラスメント行為を受けており、その行為を複数の選手、チームスタッフが見ていたことが分かったという。
愛媛の開代表は、庄司ヘッドコーチの言動に問題があることを、一部の選手やスタッフから相談や報告を受けていたにもかかわらず、庄司ヘッドコーチに対して抽象的に問題点の指摘を行い、具体的な言動の中身を確認していなかった。このような言動を把握することなく、その後のさらなるパワーハラスメントを招いたとして、Bリーグは開代表にけん責を科した。
そしてBリーグは株式会社株式会社エヒメスポーツエンターテイメントにも、庄司ヘッドコーチのパワーハラスメント行為等、及び開代表の不適切、不十分な対応は重大な規約違反であり、リーグや協会だけでなく、バスケットボール界全体の価値を貶めたことに鑑み、管理責任を問うものとして、制裁金100万円を科している。
島田慎二チェアマンは今日、会見を行い「このような問題が起こったことにつきましては、非常に残念でありますし遺憾であると感じています」と語った。「昨年の12月8日に『暴力・暴言・ハラスメント追放プロジェクト』の会見をさせていただきましたが、過去のこういった問題が後を絶たない中で、私が就任して最初に力を入れたプロジェクトでした。こういうことがないバスケ界にしたいということで、窓口を設置して仕組みを整えました」
「2件の通報が窓口にあり、今回に至りましたが、こういう問題をなくしたいという中で、この窓口がなければ今回のことも明るみに出なかった可能性があると考えています。こういう問題に対して向き合う姿勢を作ったことで明るみになり、被害を受けた方々を守ることもそうですが、こういった発表をすることで再発防止に繋げていきたいです」
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