優勝を狙うチームに必要な司令塔のバックアップ
トレードデッドラインの現地25日、以前からポイントガードの獲得が噂されていたセブンティシクサーズが、ニックスとサンダーによる3チーム間トレードでベテラン司令塔のジョージ・ヒル、また若手のイグナス・ブラズデイキスを獲得した。
今回の3チーム間トレードにより、シクサーズはヒルを、ニックスはテレンス・ファーガソン、サンダーはオースティン・リバース、トニー・ブラッドリー、ドラフト2巡目指名権を2枠獲得する。
優勝候補のシクサーズは、司令塔のベン・シモンズを支えるバックアップを必要としていた。NBAキャリア13年目のヒルは、今シーズン14試合に出場し、平均11.8得点、3.1アシストを記録している。老獪なテクニックだけではなく、昨シーズンはフィールドゴール成功率(51.6%)と3ポイントシュート成功率(46.0%)でキャリアベストの数字を残すなど、まだ選手としてレベルアップし続けている。
昨シーズンまではバックスで2番手のポイントガードとして、またロッカールームでのリーダーとして、優勝を狙うチームで存在感を発揮していた。今シーズンは再建中のサンダーでプレーしていたが、再び優勝を狙うチームで重要な役割を担うことになる。
ニックスは、デリック・ローズの獲得を機に出場機会が激減していたリバースを放出し、ディフェンスに定評のあるファーガソンをロスターに加えた。ここまで勝率5割をキープ、プレーオフ進出が見えているチームにとっては貴重な戦力となる。
サンダーはラッセル・ウェストブルックをトレードした2019年のオフから完全に再建モードに舵を切っており、かき集めているドラフト指名権がまた増えることになった。その数は今後7年のドラフトで1巡目指名権17、2巡目指名権17と使い切れないほど豊富で、今後のトレードの駒として活用できる。また、経験豊富なリーダーであるリバースの加入は若手主体のチームにとってプラスに働くはずだ。
その一方で、ラプターズのカイル・ラウリーのトレードは実現しなかった。実際に交渉も行われていたようだが、獲得候補の本命と見られていたシクサーズはヒルを選択。ヒート、レイカーズとの交渉もまとまらず、ラウリーはラプターズに残留する。