「天皇杯は歴史のある大会で、ブレックスとしてはまだ優勝していません」
天皇杯のセミファイナル、宇都宮ブレックスは64-54でアルバルク東京を下し決勝へと駒を進めた。ともに持ち味の激しいディフェンスが光り、ロースコアの展開となる中でもゲームハイの17得点を挙げ、7リバウンド3アシスト3スティールと攻守に渡って大黒柱の期待に応えたのがライアン・ロシターだ。
「A東京はよく訓練され、グループで戦える素晴らしいチームなので、最後まで集中力を欠いてはいけないと思い臨みました」
ロシターがこう語るように、この試合の宇都宮は最後まで高い集中力をキープした。「いつものレギュラーシーズンの試合と変わりません。土曜日に負けても日曜日に勝てば良いという気持ちではなく、常に一戦必勝のメンタルでやっています」と一発勝負だからと力むことなく、宇都宮らしさをしっかりコートで表現できた。それは、相手にオフェンスリバウンド16本を取られながら、粘りのディフェンスでセカンドチャンスでの失点を防ぐ姿にも現れていた。
前半からリードを奪って優位に進める中、第3クォーター途中で一時は38-38と追いつかれた時も「焦りはなかったです」とロシターは冷静だった。「A東京は負けている状態から巻き返すのにパワーを使いますし、普段よりも中心選手を長い時間プレーさせなければいけない面もあります。追いつかれた時、自分たちは交代で入ったベンチメンバーが試合に馴染むまで少し時間が必要でした。ただ、ベンチメンバーはフレッシュな状態で、第4クォーター序盤に素晴らしいパフォーマンスで点差を広げてくれました」
宇都宮にとって天皇杯の決勝進出は通算3度目だが、過去2回はともに敗れている。「天皇杯は歴史のある大会で、ブレックスとしてはまだ優勝していません。一つの大きなタイトルであり、明日は必ず勝ってタイトルを取りたいです」
3度目の正直での栄冠に強い意欲を見せるロシターは、そのためにも自身のパフォーマンスをさらに高めたいと強調する。「チームとして勝てたのは良かったですが、決めるべきシュートを落としたり、もっとアグレッシブにゴールを向かっていくべき場面がありました。そこは明日に向けて修正していきたいです」
エースが今日よりもさらにレベルの高いプレーを披露できた時、宇都宮の悲願達成の可能性はより高くなる。
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