中と外からバランス良く得点を重ねてリードを広げる
川崎ブレイブサンダースは、3月7日に新潟アルビレックスBBと対戦。第2クォーターに大きく突き放すと、その後も新潟を圧倒して112-75と快勝した。また、第4クォーターのオフィシャルタイムアウト明けには、天皇杯を最後に活動終了となる特別指定の米須玲音が最後のリーグ戦で待望のホームゲームデビューを果たしている。
第1クォーター、川崎は第1戦で33得点を挙げたファジーカスがいきなりの3ポイントシュート、ドライブからの連続得点とこの試合も快調なスタートを見せる。さらに辻直人のドライブで川崎は7-0と先行する。新潟はたまらずタイムアウトを取ると、ここから佐藤公威や西田優大の奮闘で食い下がり、終盤には五十嵐圭、西田の3ポイントシュートで2点差にまで迫る。だが、川崎はこのクォーターで10得点のジョーダン・ヒースが最後に長距離砲を入れ返して新潟の流れを切る。
第2クォーターに入ると、川崎は攻守で新潟を圧倒していく。出だしでスティールから速攻に繋げて藤井祐眞がシューティングファウルを獲得。さらにヒースがオフェンスリバウンドから押し込んでバスケット・カウントと、持ち味である激しい守備とリバウンドでリズムをつかむと、トランジションから大塚裕土が3ポイントシュートを決めて残り7分半にリードを2桁に広げる。
これで勢いに乗った川崎は、パブロ・アギラールのスティールからのダンクなどで突き放しリードを16点に広げてオフィシャルタイムアウトを迎えた。新潟のゾーンディフェンスに対しても、藤井の3ポイントシュートや巧みなパス回しでノーマークを作ってからのヒースのダンクと、付け入る隙を与えない。こうして第2クォーターで大量33得点を挙げた川崎は、23点にまでリードを広げて前半を終えた。
後半も川崎は、この試合で24得点を挙げたファジーカスがファーストプレーで3ポイントシュートを沈めると、同じく24得点のヒースも豪快なダンクを続けて決めるなど順調にリードを広げる。両ビッグマンの活躍によって、大事な入りで主導権を維持した川崎はそのまま攻守で新潟を圧倒し、危なげない勝利を収めた。
青木勇人ヘッドコーチ代行「共通意識を高めていきたい」
川崎の佐藤賢次ヘッドコーチは、攻守ともに満足のいくパフォーマンスだったと語る。「オフェンス面で昨日、苦労したところの修正がうまくいきました。ディフェンス面では何をやらせてはいけないかをしっかり全員で共通してやれていました。最後には米須選手も出場しましたし、全員で良い試合の形にできました」
そして、12日、13日と行われる天皇杯に向け、チームの成長への確かな手応えを得ていると締めくくった。「ウチに対して相手はいろいろなディフェンスをしてきますが、その一つひとつに対応できる力は備わってきていると感じます。昨日は新潟さんのディフェンスにすごく苦労しましたが、今日はそこでどういう起点を作ってフィッシュするかのイメージを共有して、その通りのプレーをクリエイトできました。これは今までのチームの積み重ねと選手の対応力が上がってきている証拠だと思います」
一方、4点差の惜敗だった前日とは一転しての大敗に、新潟の青木勇人ヘッドコーチ代行はこう振り返る。「出だしで川崎さんが素晴らしいスタートをして、その中で我慢しながら離されずに第1クォーターはついていけましたが、第2クォーターにビッグクォーターを作られてしまい、そこからカムバックできずに試合が最後まで進んでしまいました。素晴らしい確率でシュートを決められ、インサイド、アウトサイドともに止めらなかったです」
新潟は2月6日の宇都宮ブレックス戦で大敗を喫して以降、3月3日の秋田ノーザンハピネッツ戦で20点差の快勝を収めると、敗れた試合でも終盤まで食い下がるなど内容が向上している。その中での大敗にも青木ヘッドコーチ代行は「ここまで緊迫した試合を行なってきた中で、こういう試合も起こりえます。ここで下を向くのではなく、この試合から何を学んで成長できるかにフォーカスしていきたい」と成長へのきっかけにしたいと意気込む。
その上で、約2週間試合がないブレーク期間中の過ごし方を語る。「代行になってからまずはディフェンスの修正をかけ、そこに関しては徐々に形になってきますが徹底できないところがあります。まずはそこのブラッシュアップが重要です。そしてもう一度、自分たちのオフェンスをスムーズに展開できるように共通意識を高めていきたいです」
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