ニック・メイヨ

秋田は残り6秒、決めれば逆転のフリースロー2本を決められず

秋田ノーザンハピネッツとレバンガ北海道の第2戦は、最後の最後までもつれる大接戦となった。勝敗を分けたのは、土壇場のフリースローだった。

前日の第1戦を73-81で落とした北海道は、この試合の入りでも秋田のエナジーに押されて先行を許すが、第1クォーターの後ろ5分にセカンドユニットが流れをもたらす。葛原大智が前からのプレス、ファイ・パプ月瑠がゴール下でディフェンスを引き締めて秋田の得点を断ち切ると、攻めではジョーダン・テイラーが秋田のチェンジングディフェンスを攻略。堅守から速攻へと繋ぐ15-0のランで20-13とリードして第1クォーターを終えた。

それでも秋田はディフェンスから立て直し、北海道のファウルがかさんだ隙を逃さず反撃に転じた。その後は両チームが攻守に一歩も引かず、点差の離れない接戦に。第4クォーターのオフィシャルタイムアウトの時点で60-59で北海道がリード。ここから秋田がデザインされたオフェンスからハビエル・カーターのレイアップ、中山が得意のスティールからのワンマン速攻、野本建吾が抜群のタイミングでゴール下に走り込んでのリバースレイアップと6連続得点で試合を一気に引っくり返すした。

それでも北海道はテイラーとパプを投入することで、ここでも試合の流れを変える。ニック・メイヨがアーリーオフェンスから3ポイントシュートを沈め、葛原のシュートがリングに嫌われたところをプットバックでねじ込んで反撃。秋田は6連続得点で波に乗っていたはずが、それが攻め急ぎに繋がってしまい、アリウープを狙うもタイミングが合わなかったり、オープンの3ポイントシュートを決めきれない。そして残り16秒、テイラーがハイピックを使った際に、秋田のディフェンスが痛恨の連係ミスでテイラーを空けてしまう。テイラーの3ポイントシュートが決まり、北海道が68-67と逆転した。

あきらめない秋田は、タイムアウトを取って最後の攻めをデザインする。2人でスクリーンをかけて細谷将司をアタックさせ、シュートは決まらなかったがオフェンスリバウンドをアレックス・デイビスが押さえて、ファウルを誘って値千金のフリースローを獲得。2本決めれば逆転だったが、デイビスは成功率60.6%とフリースローが苦手。打つ前に他の選手が動いて仕切り直しになったものも含め3本放ったフリースローをすべて落として万事休す。ファウルゲームのフリースローをタイラーが決めた北海道が71-67で勝利した。

試合の流れが秋田に傾くたびに登場したゲームチェンジャーのテイラーは20分の出場ながらインパクトのある11得点で勝利に貢献。ニック・メイヨは37分半とほぼフル出場し、25得点11リバウンドと攻守に大活躍だった。メイヨは「昨日は非常に悔しい敗戦でしたが、ひきずることなく切り替えてチームでやるべきことを確認し同じページに立ち、強いインテンシティもって戦うことを意識しました」と試合を振り返っている。

これで北海道は約1カ月続いた連敗を9で止めた。宮永雄太ヘッドコーチは「苦しい展開となりましたが、我慢して最終クォーターで勝負できたことは選手が成長した証でした」と選手たちを称えると同時に、「今日の内容がスタンダートであることが必要ですし、まだまだ課題はありますので引き続きトライすることを忘れずに次の試合に挑みたい」と気を引き締めた。