連動したチームオフェンス、シュートセレクションに差
横浜ビー・コルセアーズvs川崎ブレイブサンダースの第1戦。横浜はレジナルド・ベクトン、アキ・チェンバース、エドワード・モリスがケガで欠場となり、川崎はパブロ・アギラールがコンディション不良のためベンチ外となるなど、互いにベストメンバーが揃わない。さらに川崎はニック・ファジーカスがウォーミングアップ中のアクシデントにより急遽エントリーを外れることになったが、チームオフェンスが機能したことで92-65の快勝を収めた。
横浜は相手のリズムを崩そうとゾーンとマンツーマンを使い分けるチェンジングディフェンスを起用した。しかし、川崎はボールマンとスクリーナーだけでなく周りも連動し、確実に優位な状況を作り出していったことで主導権を握る。特に辻直人が3本の3ポイントシュートを含む14得点を前半だけで記録するなど先行した。
ディフェンスでは、シュートタッチの良い森川正明に前半だけで15得点を奪われたが、他の選手には自由を与えず失点を最小限に留め43-32と2桁をリードして前半を終えた。
後半に入っても、オフェンスが機能し続ける川崎のペースに。ドライブとキックアウトを繰り返し、絶妙なポジションニングでスクリーナーが待ち構えてズレを作る。そして、コート上の全員が手薄になったディフェンスの位置を把握していたことで、何度もフリーのシチュエーションを作り出した。特にゾーンの欠点であるコーナーからの3ポイントシュートがよく決まり、試合を通じて34本中14本(41.2%)を成功させた。
また、オフェンスリバウンドの本数は互角だったが、インサイドの守備力に秀でる川崎がセカンドチャンスポイントで17-6と圧倒したことで点差を広げていった。
一方の横浜は川崎に比べてシュートセレクションが悪く、3ポイントシュートは34本中8本の成功(24.2%)に留まった。ベクトン不在が響き、インサイドで起点を作ることができず、時間が経つにつれて得点が伸び悩んでいった。
横浜は最終クォーターを迎えた時点で25点ビハインドと敗色濃厚だった。しかし、3ガードにして前線からプレッシャーをかけることでターンオーバーを誘発し、秋山皓太が連続で3ポイントシュートを沈めるなど、残り4分を切ったところで12点差まで点差を縮めた。
だが、試合巧者の川崎はここから褌を締め直し、ラスト4分間を15-0で圧倒して初戦をモノにした。
「相手に自信を持ってプレーさせてしまった」
川崎の佐藤賢次ヘッドコーチは「今日はニック、パブロ、青木(保憲)が試合に出られなかったので、3人の分を全員でカバーして戦うということを全員がコートで表現してくれました。ディフェンスのところでプレッシャーから良い時間帯を作ることができて、それが良い流れを生みオフェンスに繋がったと思います」と試合を振り返った。
また、ゲームハイの19得点を挙げ、前半に流れを引き寄せた辻に対し「
今日は自分が引っ張るんだという気持ちが見えていましたし、アグレッシブにチームを引っ張ってくれたと思います」と高評価を与えた。
一方、敗れた横浜のカイル・ミリングヘッドコーチは「オープンでシュートを打てていたし、前半は悪くなかった」と一定の手応えを語るも、「悪いターンオーバーが続いてしまい、相手に自信を持ってプレーさせてしまった」と総括した。
今節で特別指定としての活動が終了する河村勇輝は4得点5アシストを記録したものの、シュートを打てる場面で躊躇し、フィールドゴールは7本中1本の成功と低調だった。ミリングヘッドコーチは「若い選手がミスをしたとしても、コーチとしてはそのままプレーをさせ続けることも必要。アグレッシブにプレーしてほしい」と語った。
河村にとってBリーグラストゲームとなる明日の第2戦は、ミリングコーチが望むように悔いの残らない全力プレーに期待したい。
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