三河との第1戦ではビッククォーターを作る立役者に
川崎ブレイブサンダースは、シーホース三河との2連戦の初戦を93-63と圧勝した。試合を振り返ると7点リードで迎えた第2クォーターで、19点差にまで突き放してハーフタイムを迎えたことが大きかった。そして大塚裕土はこのクォーターに3ポイントシュート2本成功を含む8得点を挙げビッグクォーターを作る立役者となり、試合全体でも15得点4アシストと活躍した。
この試合、川崎は大塚の6本中4本成功を含むチーム全体で3ポイントシュート26本中14本成功と高確率でシュートが入った。だが、大塚はそれよりも身体を張った泥臭いディフェンスを見せられたことへの充実感を語る。
「ヘッドコーチも試合後のインタビューで言っていましたが、床にダイブしたり一つひとつのルーズボールへの執着心をベンチから出た選手が見せることでチームの士気が上がっていきます。特にホームゲームでは、このようなプレーを見に来る人たちが川崎は多いと思います。こういった数字に残らない大事なプレーをもっと出していきたいです。今日は特にマティアス(カルファニ)がどんどんディフレクションをして、ターンオーバー奪取のチャンスを作ってくれていました。そういった部分が結果として出たのは良かったです」
一方で、持ち味である3ポイントシュートを効果的に沈めた点については「オフェンスのパーセンテージも徐々に戻っていますし、シュートセレクションさえ間違えなければしっかり決められると思っています」と冷静だ。
自身で言及するようにシーズン序盤の大塚は、3ポイントシュートがなかなか入らずに苦しんでいた。それが2021年に入ると、今回を含めた9試合で計37本中19本成功と50%を超える高確率だ。見事な復調ぶりを示しているが「シュート確率はどれだけ良くても下がっていきますし、悪ければ上がっていくものです」と本人に焦ることはなかった。
なぜなら、これまでシューターとして積み重ねてきた確固たる実績があるからだ。「大学卒業から今シーズンが11年目で今まで残してきた数字には自信を持っています。シーズン前半戦、チームがビッグラインアップなどいろいろと試す中でプレータイムが一定しなくてリズムをつかみにくいところはありました。ただ、今までもそういったことはありましたし、そこでも結果を出してきました。そこは自分に自信を持ってやるだけです」
「みんなで金丸選手、川村選手を守るのが最重要」
ちなみにこれで大塚は1月4日、5日でのアウェーゲームを含め、三河戦は3試合連続で2桁得点となった。「どちらかというと三河戦は特にディフェンスにフォーカスする練習が多いので、あまり得点は意識していないです。みんなで金丸(晃輔)選手、川村(卓也)選手を守るのが最重要なところです」と守備優先のマインドだが、それでも「結果として出ているのは一つ自信になりますし、ポシティブにとらえていきたいと思います」と続ける。
川崎にとって今日の2試合目は、1カ月以上に渡って続く同一カード連戦で1試合目に勝つも、2試合目に負けて連勝を逃す悪い流れを断ち切るための重要な一戦だ。特に強豪の三河相手に連勝ができれば、チームにとって大きな弾みとなる。それは大塚も強く意識しており、記者会見の第一声ではこう語っていた。
「(水曜日の)千葉戦に負けてからしっかり切り替えてこういった点差で勝ち、短い期間で準備したことがうまく出せたことは良かったと思います。ただ、みんな明日の勝利に向かって意識を作っているので、この2連勝ができていない流れを打破したいです」
連勝ができない負の連鎖を止めるために今日の第2戦でも大塚には激しい守備に加え、得意の3ポイントシュートで流れを変える働きを大いに期待だ。