レブロン・ジェームズ

写真=Getty Images

イングラム、クーズマ、ハート、ボールにレブロン

ここ数年、NBAでは『死のラインナップ』という言葉を頻繁に耳にするようになった。

『死のラインナップ』とは、主にウォリアーズのスモールラインナップを指す言葉で、昨シーズンのチームではステフィン・カリー、ケビン・デュラント、クレイ・トンプソン、アンドレ・イグダーラ、ドレイモンド・グリーンの組み合わせの別称だった。彼らの特徴は、全員がプレーメークできる上に、攻守両面で対戦相手を圧倒できること。特に重要な役割を担っているのが、このラインナップ時にセンターで起用されるグリーンだ。ウォリアーズはディフェンスでスイッチを多用するが、ガードからセンターまで守れる機動力を持つグリーンが状況に応じて他のポジションをカバーするため、瞬間的にミスマッチになったとしても付け入る隙を見つけにくい。

昨シーズンの西カンファレンス・ファイナルでウォリアーズと対戦したロケッツは、クリス・ポール、ジェームズ・ハーデン、エリック・ゴードン、トレバー・アリーザ、PJ・タッカーによるスモールラインナップで対抗して王者を追い詰めたものの、あと一歩及ばなかった。

現代のNBAは『ポジションレス』時代で、ロケッツと同様に、ウォリアーズが誇る最強布陣に似た特徴を持つラインナップを組めるチームは増加傾向にある。このオフにレブロン・ジェームズが加入したレイカーズもまた、候補チームの一つだ。

『Bleacher Report』によれば、ロンゾ・ボール、ジョシュ・ハート、ブランドン・イングラム、カイル・クーズマ、そしてレブロンの5選手をコートに送り出す、レイカーズ版『死のラインナップ』に期待しているチーム関係者がいるという。

この面子では、どのポジションの選手を相手にしても守れるだけのフィジカルと機動力を持っているレブロンがセンターで起用されるだろう。その他の4選手は全員23歳以下の若手で、身体能力が高い。さらに3ポイントシュートを決めることができ、リバウンドも苦にしない。すぐに本家『死のラインナップ』に対抗するのは難しいとしても、若手が経験を積み、ケミストリーが構築されれば、レイカーズにとって大きな武器になるはずだ。

ただし、スモールラインナップは万能薬ではなく、チームオプションの一つでしかない。つまり、試合の流れを引き寄せる、あるいは違いを生み出すには投入するタイミングが重要になってくる。その点で言えば、2015-16シーズンまでウォリアーズのアシスタントコーチを務めていたルーク・ウォルトンなら、使いどころを心得ているはずだ。

33歳のレブロンがチームリーダーになったことで、若手は『キング』から勝者のメンタリティー、ハードワークの重要性など、多くを吸収するだろう。レイカーズ版『死のラインナップ』が実現するかは、ボール、クーズマ、イングラム、2018年のサマーリーグMVPに輝いたハートの成長にかかっている。