八村塁

猛追するも、序盤の大量ビハインドを覆せず

ウィザーズvsトレイルブレイザーズの一戦。八村塁は4本中3本の3ポイントシュートを沈め、フィールドゴール成功率83.3%の24得点を挙げる活躍を見せたが、第1クォーターで背負った17点のビハインドを覆せずに、121-132で敗れた。

先発出場した八村は開始約3分、ゴール下でポジションを取り、ミスマッチを突いて左手のベビーフックを沈めて最初の得点を記録した。しかし、チームはディフェンスローテーションがうまくいかず、次々と3ポイントシュートを許し、23-40といきなり大量のビハインドを背負った。

第2クォーターに入ると、八村は得意のミドルシュート、力強いポストプレーで加点。さらにはブラッドリー・ビールのアシストから左手で豪快なダンクを決めるなど、特にオフェンス面でチームを牽引した。ビールの連続得点などもあり、一時は2ポゼッション差まで迫ったが、デイミアン・リラードにしぶとくフリースローで繋がれ、12点差で前半を終えた。

後半に入っても、八村は少ないシュートチャンスをモノにしていく。ポンプフェイクでマークを振り切ってのジャンプシュート、周りの足が止まった時にカットし、エルボーからミドルシュートを沈め、得点を2桁に乗せる。ディフェンスではカーメロ・アンソニーとマッチアップし、1on1で守る機会が多かった。目の前で3ポイントシュートを決められる場面もあったが、ファウルを我慢しながらボールに手を当ててタフショットを強いるなど、オフェンスが有利な状況の中で互角以上に守り切ったと言える。

16点のビハインドを背負って最終クォーターを迎えたウィザーズだったが、八村が2本の3ポイントシュートを含む8連続得点を挙げて、反撃ののろしを上げる。残り5分24秒、トランジションから八村が3本目の3ポイントシュートを沈めて点差を1桁に縮めると、残り4分にはデニ・アブディヤの3ポイントシュートが決まり、4点差まで迫った。

しかし、ウィザーズの反撃もここまでだった。良い形を作るもダービス・ベルターンズの3ポイントシュートが決まらず、逆にゲイリー・トレントJr.に7本目の3ポイントシュートを許してしまう。八村もロバート・コビントンの攻守に阻まれ、自分のタイミングでシュートが打てずに3ポイントシュートを決めきれない。

リズムを失ったウィザーズはラスト4分間で3点しか奪えなかったのに対し、ブレイザーズはリラードがクラッチタイムに勝負強さを発揮。結局、序盤の大量ビハインドが響き、逆転できないまま試合終了を迎えた。

ビールがゲームハイの37得点、八村がシーズンハイの24得点を挙げたものの、ブレイザーズに46本中21本(45.7%)もの3ポイントシュートを許し、132失点したディフェンスが足を引っ張った結果となった。リーグトップクラスのオフェンス力があることはすでに証明されているだけに、プレーオフ争いに絡むにはディフェンスのテコ入れが急務だ。