カワイ・レナード

写真=Getty Images

レイカーズ移籍は果たせずも、トロントで笑顔

電撃トレードによりスパーズからラプターズにトレードされたカワイ・レナード。トレード成立直後には、ラプターズでのプレーに関心を持っておらず、シーズン全休を選ぶのではないかと伝えられたのだが、その心境にも変化が起きつつあるようだ。『Rogers Sportsnet』によれば、レナードはラプターズとポジティブな話し合いを重ねているという。

彼自身は移籍先にレイカーズを希望していたが、スパーズは造反したエースを西カンファレンスのライバルに譲渡するトレードを成立させなかった。地元ロサンゼルスから離れたトロントに行くことになったとはいえ、レナードにとっても2018-19シーズンは大事な1年になる。

来シーズン終了後にフリーエージェントになるプレーヤーオプションを保持しているレナードは、ほぼ間違いなく来オフに契約最終年を破棄し、レイカーズへの移籍を希望するだろう。だが、昨シーズンわずか9試合の出場に終わった原因でもある大腿四頭筋の負傷が完治したことをアピールし、リーグ屈指の2ウェイプレーヤーとしての実力を示せなければ、意中の相手が獲得に動くかは分からない。

希望を叶えるためにも、レナードはラプターズで結果を残さなければならない。コンディションさえ万全なら、今回のトレードでスパーズに移籍したデマー・デローザンと同様にリーディングスコアラーとしての役割を担うようになるだろう。またレナードは、ディフェンスでも大きな違いを生み出せるため、先発ポイントガードのカイル・ラウリーとのデュオが機能すれば、セルティックス、セブンティシクサーズと東カンファレンスの首位争いを繰り広げるに違いない。

万が一にも『職場放棄』の態度をラプターズでも取れば、選手としての評価は完全に落ちてしまう。1年限定だとしても、レナードにとっての来シーズンは、幸福なキャリアを送るために重要なステップなのだ。7月20日にトロント入りしたレナードは、関係者とにこやかに談笑している。どれだけの才能を持っても、前向きな気持ちを持たなくてはトップレベルで戦うことはできない。望みどおりの移籍ではなかったかもしれないが、練習にも試合にもハードに取り組むメンタルを取り戻せたのだとしたら、レナードはラプターズの大きな力になるはずだ。