篠山&辻のガードコンビが終盤に躍動
シーホース三河vs川崎ブレイブサンダースの第1戦。終盤まで接戦が続いたが、勝負強さを発揮し篠山竜青が9得点、辻直人が10得点を最終クォーターに固め、7人が2桁得点を挙げた川崎が92-84で勝利した。
川崎は左腓腹筋肉離れで戦列を離れていたジョーダン・ヒースが、11月8日以来となる復帰を果たした。第2クォーター序盤、そのヒースのダンクで勢いに乗った川崎はセカンドユニットが奮起し、34-25と9点のリードを奪う。それでも、ホームの三河もカイル・コリンズワースやダバンテ・ガードナーのアタックで盛り返し、拮抗したまま後半を迎えた。
川崎の佐藤賢次ヘッドコーチが「どんなに頑張ってもタフショットを決められるシーンはあると思っていた」と語ったように、ガードナーや金丸晃輔が難しいシュートを次々と沈めた三河がリードを奪う。そして、残り2分18秒には金丸の3ポイントシュートが決まり、62-52と2桁にリードを広げた。このまま三河のペースで行くかに思われたが、鈴木貴美一ヘッドコーチが「大塚(裕土)選手やパブロ(アギラール)選手、彼らに今日はやられ過ぎた」と語ったように、大塚とパブロの3ポイントシュートなどで、完全に主導権を握れ、拮抗したまま最終クォーターへ突入した。
三河が2ポゼッション差以内でリードする時間が続いたが、篠山と辻がこの均衡を破った。ここまで、篠山が3本、辻は4本連続で3ポイントシュートを外していたが、この勝負どころで2人が3ポイントシュートを成功させて逆転。さらに積極的にゴールへアタックし続け、2人合わせて19得点の荒稼ぎを見せた。
そして、残り19秒、篠山がファウルゲームで獲得したフリースローを2本とも成功させて88-84。リードを2ポゼッション差に拡大してそのまま逃げ切った。
「2桁得点が7人いるので、本当にチームで勝ち取った勝利」
川崎の佐藤ヘッドコーチは「ディフェンスで我慢してオフェンスでやり返すことを40分間続けられた。全体を通して、メンタル的なことで落ちなかったところが良かったと思います」と試合を総括。第3クォーターには2桁のビハインドを背負ったが、セカンドユニットが繋いだことが大きかった。その活躍は数字にも表れており、3本の3ポイントシュートを沈めた大塚や、復帰戦となったヒースも11得点を挙げるなど、7選手が2桁得点を記録。佐藤ヘッドコーチも「2桁得点が7人いるので、本当にチームで勝ち取った勝利だと思います」と語った。
敗れた三河の鈴木ヘッドコーチも川崎のバランスの良いオフェンスに苦戦したことを認めつつ、「勝負どころのリバウンド、シュート回数を増やしてしまったことが今日の敗因」とも語った。実際、最終クォーターのオフェンスリバウンド数で1-6と大きく差をつけられており、ポゼッション数が勝敗を分けた。
鈴木ヘッドコーチが「詰めの甘さというより、川崎さんのシュートがいつもより入った。実際は2、3点差のゲーム」と言うように、最終的に8点差がついたが、内容としてはほぼ互角だった。明日の第2戦もこうしたわずかな差が勝敗を分けることになりそうだ。
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