三遠ネオフェニックス

最終クォーターの中盤までは一進一退の戦いに

三遠ネオフェニックスvsレバンガ北海道の第2戦。最終クォーターの中盤まで1ポゼッションを争う接戦となったが、三遠がリバウンドからリズムをつかみ80-74で勝利。今シーズン初となる同一カードでの連勝を成し遂げた。

立ち上がりはアップテンポなゲームとなるが、先に三遠がペースをつかむ。ステヴァン・イェロヴァツのピック&ロールやカイル・ハントのセカンドチャンスポイントで得点を挙げ、さらにインサイドでファウルを誘い開始3分でジャワッド・ウィリアムズから2ファウルを奪う。代わりに入った玉木祥護との高さのミスマッチを生かしてイェロヴァツが得点を重ね14-8と抜け出す。

最初こそ得点を許してしまった玉木だが、ビッグマンに対し身体を張って中に入れさせないディフェンスを遂行する。大黒柱のニック・メイヨがコンディション不良のため欠場し、ウィリアムズもベンチに下がり高さで劣る北海道だが、インサイドに入れさせないチームディフェンスを遂行することで、ペイントエリアからの得点を簡単には与えないことに成功する。そしてジョーダン・テイラーのドライブに合わせた玉木のミドルシュートや内田旦人の3ポイントシュートで同点に追い付いた。

19-19で迎えた第2クォーター。ここからは拮抗した戦いが続く。三遠はインサイドを生かせずに苦戦するが、すぐに高い位置でのボール回しに切り替えて3ポイントシュートを狙っていく。

対する北海道は三遠の2-3ゾーンディフェンスに対し、玉木や葛原大智、ジャワッド・ウィリアムズなど全員が積極的に3ポイントシュートを狙うことで、39-35と北海道がわずかにリードして後半を迎える。

第3クォーターになっても拮抗した戦いが続き、52-55と三遠が1ポゼッションを追いかける展開に。それでも最終クォーターに入ると、イェロヴァツとハントがしっかりと面を取ることでポストプレーからチャンスを作り出すように。インサイドが生かせるようになると、今度はキックアウトして川嶋勇人が3ポイントシュートを決めるなど、バランスの良い攻めを展開した。

そして、三遠に勢いを与えたのがハントのリバウンドだ。まずはディフェンスリバウンドを確実に押さえ、北海道にセカンドチャンスを与えない。オフェンスでも自分のシュートが外れても自らリバウンドを取りセカンドチャンスをモノにしていくことで、三遠がリードを広げていった。

三遠ネオフェニックス

川嶋勇人が第3の選手として活躍

その後も三遠の勢いは止まらない。今度はマンツーマンで全員がプレッシャーを与えて北海道のパスコースを塞ぐと、川嶋がスティールして速攻へ繋げる。さらに川嶋はドライブやミドルシュートを沈めるだけでなく、リバウンドをティップしてイェロヴァツの3ポイントシュートへ繋げるなど、ビッグマンに続く第3の選手として活躍する。

それでも三遠はテイラーに連続で3ポイントシュートを許してしまい残り1分半で72-69と点差を詰められるが、川嶋が今度はディフェンスで仕事をする。テイラーに対して間を空けずにピッタリとマークすることで、シュートチャンスを与えない。そして、オフェンスでは勝負どころでしっかりとシュートを決めきった。

北海道はここからファウルゲームに持ち込むが、この日の三遠はフリースロー18本中17本成功と好調で、この後も確実にフリースローを沈めることで80-74で勝利した。

イェロヴァツが22得点、ハントが20得点を挙げたが、川嶋も19得点と外国籍選手に頼るだけでなく、日本人選手も勝負どころを抑える活躍をしたことは大きい。

ホームで連敗を喫したレバンガ北海道の宮永雄太ヘッドコーチは「今日の試合、選手は最後まで戦う姿勢を見せてくれたと思います」とコメントし、こう続けた。「これまでも課題であった後半の戦い方として、一つ一つの細かいところを選手たちとコミュニケーションを取りながら改善をしようとしていましたが、40分間継続できない部分はまだまだなので、一つずつ解決していきたいと思います」