ズレを作り、決めるべきシュートを沈める横綱バスケ
大阪エヴェッサvs宇都宮ブレックスの第1戦。前節の川崎ブレイブサンダース戦を今シーズン最少得点で落とし、連勝が10で止まった宇都宮だったが、この試合では今シーズン3番目に多い94得点を奪い、大差で勝利した。
序盤は大阪の得点源である橋本拓哉を止められず、ジョシュ・ハレルソンとディージェイ・ニュービル、そしてアイラ・ブラウンを起用するいわゆる『オン3』の高さに苦戦した。それでも、第1クォーターから7選手が得点と、守りどころを絞らせないバランスの良い攻めで18-17とわずかにリードした。
その後は終始、宇都宮のペースで試合が進んだ。オフェンスでは何度もピック&ロールを繰り返し、時間がかかってもパスを回したことで最終的にズレを作り、3ポイントシュートを確実に沈めていった。また、個での打開ではなく、スペースを空けた状況での2対2など、コンビプレーがうまく決まった。前回の川崎戦ではわずか10アシストに留まったが、この試合では28アシストと数字を見てもチームプレーが機能していた。
ディフェンスではインサイドを狙う大阪に対し、パスの出し手へのチェックを強めるとともに、半身で覆いかぶさるようにして簡単にボールを入れさせず、インサイドでの失点を最小限に封じた。
大阪はそうしたディフェンスの裏を取り、バックドアや狭いスペースへパスを送るが、腕を広げる宇都宮の守備網をかいくぐれずにイージーシュートの機会が作れず、さらにはターンオーバーがイージーな失点に繋がる悪循環に陥っていった。また、前半でフィールドゴールとフリースローをすべて成功させ8得点を挙げていた橋本が、第2クォーター開始5分で個人3つ目のファウルを犯しベンチに下がることに。その結果、強引ながらもインサイドを攻め続けることしかできなくなった。
6人が2桁得点を挙げるバランスアタック
第2クォーターを29-17と圧倒した宇都宮は後半に入っても攻撃の手を緩めない。ジョシュ・ハレルソンに連続でオフェンスリバウンドを取られ、セカンドチャンスポイントを許すも、鵤誠司と比江島慎がセカンドチャンスポイントをお返し。内外バランス良く得点し、的を絞らせずリードを広げると、ジェフ・ギブスのブロックショットから竹内公輔の速攻で第3クォーターを締め、22点と大量リードを奪った。
その後、橋本のアタックやスタツのインサイドプレーに手を焼くも、テーブス海や渡邉裕規が要所で3ポイントシュートを沈めて大阪の勢いを断ち切る。結局、すべてのクォーターで上回り94-69で勝利した。
宇都宮は出場した11選手全員が3得点以上を記録し、そのうち6人が2桁得点を記録するなど、バランスの良さが際立っていた。また、6ターンオーバーとミスも少なく、盤石な試合運びを見せ、川崎戦に敗れたダメージを感じさせないパフォーマンスで首位をキープした。
一方、大阪は橋本が16得点、ニュービルとスタツが14得点を挙げるも、他の日本人選手の得点が伸び悩んだ。前節の信州ブレイブウォリアーズ戦に続き、伊藤達哉がコンディション不良のため欠場したことが響いている。それでも、明日の第2戦も欠場するため、他の選手の底上げが必要となる。
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