得点を狙う意識を強め、ベスト4進出を目指す
2年ぶりのウインターカップ出場を決めた聖和学園。今年のチームスタイルは『全員バスケ』だ。10人から12人のメンバーが交代を繰り返し、それぞれの個性を発揮して試合の流れを作り出す。しかし、司令塔はプレータイムが分散されておらず、現状はキャプテンの丸山輝瑠(ひかる)が30分近いプレータイムを得ている。
新潟県出身の丸山が聖和学園を知ったのは中学3年生の時。現地観戦したインターハイで聖和学園の戦いぶりに触発され、「このチームで全国に出たい」と自ら故郷を離れることを選び、入学後は1年のインターハイからベンチ入りを果たしている。
大エースとして活躍した今野紀花(ルイビル大)が卒業した昨年は、インターハイ、ウインターカップともに予選決勝で明成に敗れ、出場権を得られなかった。丸山はこの悔しさを晴らすために、新たな武器を備えることを決めた。3ポイントシュートだ。
「中学の頃から、アシストで周りを生かすことが好きだった」と話す丸山は、高校入学後もゲームコントロールに重きを置き、自らが得点に絡む意識をあまり持っていなかった。しかし、代替わりしたチームにはシューターがいない。小野裕コーチの「積極的に打っていきなさい」という声かけに背中を押されて、丸山は発奮した。
練習後の自主練で、3ポイントシュートを100本決めてから体育館を出ることを日課に掲げ、試合では「必ず1本は決めてやる」と意気込んだ。その努力が実り、今ではチームで指折りのシュート力の持ち主に。「予選前、小野先生に『お前はウチで一番3ポイントが入るんだから』と言ってもらったことで、より自信を持って打てるようになりました」と、丸山はうれしそうに笑った。
小野コーチが「ゴールを狙う気持ちが強くなったからか、ペイントエリアまで侵入して、センターにチャンスメークするパターンも増えてきたし、取り組み方が主体的になってきた」と評する司令塔は、2年ぶりのウインターカップを想像し、「緊張もあるけど楽しみです」と話す。メインコート──すなわちベスト4に進むという目標に向けて、仲間たちとともに歩みを続ける。