石井の不在を感じさせない活躍
サンロッカーズ渋谷は、10月21日に行われた川崎ブレイブサンダースとの平日ゲームで終盤までもつれる激闘を演じたが87-95で敗れた。この試合、田渡修人は約20分の出場で3ポイントシュート3本成功を含む11得点をマーク。同じシューティングガードである石井講祐が、第3節から欠場が続く中でその穴を埋める存在感を見せている。
SR渋谷は7試合を終えて3勝4敗と黒星が先行している。ただ、田渡が「何回も勝てるチャンスはありました」と語るように、この試合を含めた4敗すべてが僅差での敗戦だ。あと一歩のところで勝ち切れない試合が続き、メンタル的には苦しいはず。それでも田渡は「勝てないのは相手が1枚上手だった」と冷静にとらえつつ、「開幕の時よりすべてにおいてレベルは上がっています。そこはポジティブな部分です」と、チームの成長に手応えを感じ必要以上に気落ちしていない。
それは田渡自身が右肩上がりに調子を上げていることも関係しているだろう。中でも注目すべきは3ポイントシュートの試投数だ。コンディションが良くなかった開幕節は2試合合計で1本しか3ポイントシュートを放つことができなかったが、第2節以降は5試合の内3試合で5本以上を放っている。3ポイントシュートの試投数は1試合に7本から8本打てば多いと見られているが、それは30分前後のプレータイムを得ている選手の基準だ。田渡のように20分前後の出場機会で5本以上を放っているのは、かなり多い頻度だ。
「去年は得点を期待されて入ったと思いますが、消極的なことが多くて不完全燃焼でした。今年はシュートアテンプトに関しては意識しています」。田渡はこのように語り、試投数についても強いこだわりを見せている。元々、田渡は3ポイントランキングで初年度はリーグ4位、2年目は6位、3年目は8位とその精度には定評がある。だからこそ、彼が積極的に打っていくことで、相手も彼に密着マークをせざるを得なくなり、味方のスペースを作り出す相乗効果を生む。
「3ポイントが一番の持ち味なので、ぶれずにシュートを打っていきます。また、そこからのドライブ、アシストも強みと思っているのでそこも頑張っていきたい」と話すように、3ポイントへの警戒が増せば増すほど、田渡の攻撃のバリエーションも広がっていく。
プレータイムをシェアするSR渋谷において、田渡がどれだけ3ポイントシュートを打っていけるか。それは厚みのあるオフェンスを展開し、接戦を制するための重要な鍵となってくるはずだ。
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