メンターとしての役割を固辞し、新たな挑戦を決意
レブロン・ジェームズのレイカーズ移籍、デマーカス・カズンズのウォリアーズ加入が今オフ最大のトピックになっているNBAにおいて、別の意味でサプライズだったのはトニー・パーカーがスパーズを退団したことだった。
パーカーは、17年プレーしたスパーズを離れ、東カンファレンスのホーネッツと契約することを決断。ティム・ダンカン、マヌ・ジノビリとともに黄金期を作り上げ、引退するまでスパーズ一筋のキャリアを送ると思われていただけに、周囲を驚かせた。そのパーカーがホーネッツ移籍を決めた理由を『Eurohoops』に語っている。
「ホーネッツの方が、スパーズよりも自分を欲しているように思えた。スパーズからも単年のオファーがあった。でも、チーム内の役割が不透明で、僕はチャレンジを求めていた」
パーカーによれば、スパーズはチーム内の精神的支柱としての役割を求めたという。しかし、その考えは現役選手としてプレーしたいパーカーの意向にそぐわなかった。それでも、悩みに悩んだ末の決断だったことに違いはない。パーカーには、誰よりもサンアントニオへの愛情を持っているという自負がある。
それだけに、AT&Tセンターに戻って古巣と対戦する時のことを思うとすでに感傷的な気分になってしまうそうだ。「大粒の涙をこぼしても驚きはしない」とパーカーは言う。「スパーズは、いつだって僕にとって家のような場所なんだ。サンアントニオは、僕の人生において大きな場所だから」
メンターではなくコート上でのプレーでチームに貢献する現役選手としてのプライドを優先し、新天地での挑戦を決断したパーカーを、スパーズファンも歓声で出迎えてくれるはずだ。
Thank You, TP! pic.twitter.com/ijzII2J2Nz
— San Antonio Spurs (@spurs) 2018年7月7日