勝利を引き寄せた2本の3ポイントシュート
開幕から6試合を終え、宇都宮ブレックスは5勝1敗と好調を維持している。そんなチームとは対照的に喜多川修平は一人、もがいていた。
喜多川はBリーグ2年目に3ポイントシュート王を獲得したリーグ屈指のシューターと言える。しかし、今シーズンは開幕から5試合で9本中1本のみの成功(11.1%)と、シュートタッチに苦しんでいた。
だが、千葉ジェッツとの第2戦でようやくその輝きを取り戻した。リードしながら突き放せずに膠着状態が続いた第3クォーター、LJ・ピークが足を負傷し交代を余儀なくされた。劣勢に立たされてもおかしくない状況だったが、ピークの代わりにコートに立った喜多川が大仕事をやってのけた。トランジションからアウトナンバーを作り出し、左コーナーで待ち受けた喜多川が3ポイントシュートを射抜く。さらにその1分後、ディフェンスを引きつけたテーブス海からのパスを受け、再び喜多川は3ポイントシュートを成功させ、63-42と試合を決定づけるような2発を見舞った。
喜多川は試合のラストポゼッションでも3ポイントシュートをしっかりと沈めた。プレータイムは6分と決して長くはなかったが、3本すべての3ポイントシュートを成功させる『仕事人』と呼べるパフォーマンスを見せた。
「自分の中で開幕してから苦しい時間が続きましたが、ヘッドコーチからは自分の良いところを出して積極的に打って行けとずっと言われていました。チームメートも空いたらパスをくれますし、今日決めることができたのは自分にとってすごく大きかったです」
喜多川は今シーズンでキャリア13年目を迎えたベテラン。キャリア通算の3ポイントシュート成功率もほぼ40%と安定しているが、今シーズンは結果を残そうとの思いから、どこか自分のタイミングで打てていない様に見えた。喜多川もそれを認め、これまでの試合を振り返った。「結果を残さないといけないと先走ってしまって、出た時に慌ててしまったり、いつものリズムじゃないところで打っていた。それがディフェンスにも響いて、悪循環なところが多かった」
ようやく結果を残した喜多川は「今日で少し落ち着いたじゃないですけど、ここからもっとチームの力になっていければと思っています」と、スランプ脱出のきっかけを作り、清々しい表情で会場を後にした。
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