スモールラインナップで宇都宮を追い詰める
信州ブレイブウォリアーズは宇都宮ブレックスとの第2節に連敗を喫し、いまだB1初勝利を挙げられていない。だが、第2戦では高い修正能力を披露し、B1屈指の強豪をあと一歩のところまで追いつめた。
信州が第3クォーターまでリードできた要因は様々あるが、そのうちの一つにガードの栗原ルイスを4番で起用するスモールラインナップが機能したことが挙げられる。188cmの栗原は不慣れなポジションながらも、粘り強いディフェンスで宇都宮のシュートミスを誘った。オフェンスでは外に開いてインサイドのスペースを広げ、西山達哉とジョシュ・ホーキンソンのツーメンゲームを援護しつつ、4本の3ポイントシュートを成功させて16得点を挙げた。
「小さい選手が4人出るとリバウンドだったりペイントで劣るところがあるので助け合って我慢しました。逆に小さい4人だから、いつも以上に走れました」と、栗原は振り返った。
信州は第3クォーターを終えた時点で63-56とリードしていたが、ガス欠に陥り逆転負けを喫した。30分以上プレーしたのが遠藤祐亮だけだった宇都宮に対し、信州はホーキンソンがフル出場、栗原と西山がともに36分の出場と、体力が底をついた。「手が先に出たり、いるべき場所にいないこともあって、それはガス欠だったと思います」と、栗原は言う。
フィジカル色の強いハードなディフェンスを受け続ければ当然、体力は削られる。さらに不慣れなポジションを任されたことで、頭も使わなければいけない状況も栗原にとっては大変だった。「まず慣れないポジションをやってメンタル的に疲れました。頭もそうですけど、新しい動きに身体が慣れていないので、足が動かなくなったり身体への負担は大きかったです」
機能したこのスモールラインナップはチームの新たなオプションとなるかもしれない。それでも栗原は「良い内容もあるんですけど、こうすれば良かったと思うことが多々あるので修正したいです。僕からするとまだまだです」と、厳しい評価を下した。
善戦はしたが、終盤の失速が響き初勝利はお預けとなった。栗原は「B2だったらどころどころでミスをしても勝てたかもしれない。でもここまで来ると40分間冷静にやり続けないと難しい」と、B1の差を実感している。
それでも栗原にネガティブな感情は一切なく「もう少しで勝てるというより、今日も勝つというメンタルでやっています」と、あくまでも前向きだ。「自分から言うのはあまり得意じゃないです」と苦笑いを浮かべ、「強いて言うなら、3ポイントシュートです」と自身のストロングポイントを説明する栗原。シャイと強気が混同する23歳の若武者が、信州のB1での成功のカギを握る。