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球団と合意の上でフリーエージェントに

数日前の段階で報じられたクリッパーズとマーベリックスによるディアンドレ・ジョーダンを含むトレード案は実現しなかった。しかし、マブスがジョーダンを獲得するプランは変わっていない。変化が見られそうなのは、その手法だ。

『New York Times』によれば、ジョーダン獲得に向けてサラリーキャップに空きを作るため、ダーク・ノビツキーがいったんフリーエージェントになるという。

ノビツキーは2017年にマブスと2年1000万ドル(約11億円)の契約を結び、2年目の来シーズンはチームオプションという形になっていた。来シーズンの年俸500万ドル(約5億5300万円)という枠をジョーダン獲得に使うため、マブスはノビツキーと合意した上でチームオプションを一度は破棄。形式上ノビツキーはフリーエージェントになるが、サラリーキャップに加算されない例外条項を使って再契約すると見られている。

当初の見立てでは、ジョーダンが年俸2410万ドル(約27億円)が保障される来シーズンのプレーヤーオプションを行使した後にトレードが成立すると思われた。だが、トレードの話が上手く進まなかったのか、それともジョーダン側がより高額な契約を今オフに結ぶ方を求めたからなのか、事は思惑通りに運ばなかった。

マブスにはジョーダンとマックス契約を結べるだけのキャップスペースはある。ここで問題になり得るのが、来シーズンが契約最終年のウェスリー・マシューズの年俸1860万ドル(約20億円)だ。マシューズは攻守両面に優れたベテランだが、来シーズンは新人ルカ・ドンチッチを先発シューティングガードのポジションに起用する方針が固まっている。マシューズがベンチ起用を受け入れるか分からない上に、年俸も決して安くはない。クリッパーズとのトレードが噂された段階では、マシューズがその案に含まれると言われていた。

今夏マブスからはダグ・マクダーモット、セス・カリー、ヨギ・フェレルら伸びしろが残されている選手がフリーエージェントになる。誰に新契約を提示するかはこれからの判断になるのだろうが、マシューズを残した上でジョーダンを獲得すれば、彼らに使える資金が制限されてしまう。

球団の顔であるノビツキーが男気を見せた以上、なんとしてでも戦力アップを実現させなくてはならない。ジョーダンを含め、フリーエージェントになる選手とマブスが何を譲り合い、納得いく形に持って行けるのか。フロントの腕の見せどころだ。