第4クォーターにレイカーズが守備で仕掛けるも及ばず

西のカンファレンスファイナル、レイカーズvsナゲッツの第3戦。シリーズ連敗を喫したナゲッツが奮起し、ニコラ・ヨキッチとジャマール・マレーのデュオだけでなく、全員でアグレッシブにプレーすることで主導権を握り、114-106の完勝を収めた。

立ち上がりこそボールが手に付かずミスが出たナゲッツだが、すぐに立て直してヨキッチを軸に攻めることでリズムに乗る。序盤からエンジン全開のレブロン・ジェームズを巧みなディフェンスで止め、素早いローテーションで簡単なシュートチャンスを作らせない。ヨキッチ対策で投入されたドワイト・ハワードが最初のマッチアップでテクニカルファウルを取られたことも、ナゲッツのオフェンスを楽にさせた。

さらにはセカンドユニットも奮闘。マイケル・ポーターJr.やモンテ・モリスが積極的なアタックを仕掛け、守りどころを絞らせない。また球際の強さでもレイカーズを上回り、2桁のリードを奪って試合を進めた。

63-53とナゲッツの10点リードで迎えた後半も同じ流れ。ケンテイビアス・コルドウェル・ポープがハッスルで良い流れを作りかけるが、ここでジェレミー・グラントが3ポイントシュートにスティールからのワンマン速攻で流れを引き戻す。グラントはレブロンのマークを担当しながら、攻めに転じると果敢に仕掛けて12ものフリースローを獲得。うち10本を決めて26得点と大活躍した。

前半に続いてレブロンがベンチに下がった時間帯に点差を広げたナゲッツが、93-75とリードして第4クォーターを迎えた。しかし、レイカーズも意地を見せ、最終クォーターの立ち上がりからディフェンスで仕掛ける。グラントへのダブルチーム、マレーへのブリッツ、そしてゾーンディフェンスと形を変えつつ、ターンオーバーを誘っては速攻を連発して猛追。残り10分半で20あった点差をみるみるうちに縮め、3分半で22-2のランで3点差まで追い上げた。

ただ、ナゲッツはギリギリで踏ん張った。速攻は許してもハーフコートオフェンスではこれまで通りに足を動かしてフリーを作らせないディフェンスを継続。相手のディフェンスの引き出しをすべて使わせた後はターンオーバーも止まり、逆に仕掛けるレイカーズディフェンスの裏を突いた。残り1分半、厳しいプレッシャーを掛けられたマレーがディフェンスをよく見てゴール下でフリーになったポール・ミルサップの得点をアシストしたのが、その象徴的なプレーだ。

このミルサップの得点で108-99と突き放し、さらにマレーがとどめのディープスリーをお見舞い。こうして粘るレイカーズを振り切ったナゲッツが、貴重な勝利を挙げた。

マレーは28得点8リバウンド12アシストとトリプル・ダブル級の活躍。レイカーズではレブロンが30得点10リバウンド11アシストとトリプル・ダブルを記録したが、第2戦でヒーローになったアンソニー・デイビスが27得点を挙げた一方で第3クォーターまでリバウンドなしの2リバウンドに終わり、チームとしてもリバウンドは25-44と圧倒された。またセカンドユニットは揃って仕事ができなかったのも響いた。