マービン・バグリー3世

写真=Getty Images

「ヤング・スーパーチーム」とディバッツGMが自信

1951年に球団史上唯一の優勝を成し遂げたキングスはNBAでも古豪の一つだが、近年は低迷期が続き、2006年から12年間もプレーオフ進出を逃している『ドアマット・チーム』だ。

しかし、長かったトンネルの出口がようやく見え始めている。昨年のドラフトで指名したディアロン・フォックス、ジャスティン・ジャクソン、昨シーズンからNBAでプレーしているボグダン・ボグダノビッチに加えて、今年のドラフト全体2位で即戦力ルーキーのマービン・バグリー3世の指名に成功したからだ。バーグリー3世は、ポジションレスのフォワードで、スター性を持った選手として評価されている。

フォックスは昨シーズンのチーム最多となるアシスト(4.4)を記録し、ジャクソンは2年目の成長が期待される。欧州時代にユーロリーグ優勝、2014年と15年に2年連続ユーロリーグ・ライジングスター賞受賞など数多くの実績を残して海を渡ったボグダノビッチも、アメリカでの1年目は及第点以上の出来だった。そこにデューク大学での1年間で大きく成長したフランチャイズプレーヤー候補のバグリー3世が加わったのだから、キングスの未来は明るい。

ブラデ・ディバッツGMも若きカルテットに期待。ドラフト後には堂々と「我々はヤング・スーパーチーム」と名乗った。

カルテット以外にもキングスには今後が楽しみな若い選手が多く、2017-18レギュラーシーズンでは王者ウォリアーズを相手に2回もアップセットをやってのけ、周囲を驚かせた。

ジョエル・エンビード、ベン・シモンズ、ダリオ・シャリッチらが成長し、大躍進を遂げた昨シーズンのセブンティシクサーズのように、数年後のキングスは西カンファレンスの台風の目になるのではないだろうか。ただ、現時点ではすべて『捕らぬ狸の皮算用』でしかない。ポテンシャルを本当の力に変えられるかどうか。まずはプレシーズンでどれだけの準備ができるか、キングスの動きに注目したい。