アレックス・カルーソ

チームを救ったコーナーからの3ポイントシュート

レイカーズはロケッツとのプレーオフセミファイナル第4戦に110-100で勝利し、対戦成績を3勝1敗とした。

インサイドを制圧し29得点を挙げたアンソニー・デイビスの活躍が目立ったが、得点力のあるロケッツを100点に封じたディフェンスも勝因となった。ベンチから16得点を挙げたアレックス・カルーソも守備での勝利を強調した。

「カバーリングが上手くできた。ラス(ラッセル・ウェストブルック)とジェームズ(ハーデン)がどれだけのプレーができるかは分かっているので、彼らに簡単に仕事をさせないようにした。前回の試合では2人に30得点以上許した。僕らがサボれば40点ずつ取られてしまう。ラスとジェームズにとってできる限りタフな状況になるように努めて集中できていた」

この試合でウェストブルックに25得点、ハーデンに21得点を許したが、2人は明らかにレイカーズのディフェンスを嫌がっていた。特にハーデンは執拗なダブルチームに苦戦し、フィールドゴールは11本中2本の成功に留まった。ハーデンへのダブルチームについて聞かれたカルーソは、ファーストラウンドで戦ったデイミアン・リラードの名前を挙げて、このように説明した。

「デイミアン・リラード対策とほぼ同じ。ブレイザーズはピック&ロールを多用するけど、ロケッツはアイソレーションを多用する。ハーデンにボールを渡さないこと、簡単にプレーさせないことを意識した。例えばデイビスが40得点20リバウンド、レブロンが4、50得点取れてしまうように、偉大な選手を楽にプレーさせると彼らのやりたいようにされてしまう。ラス、ハーデン、エリック・ゴードンを止めなければシリーズを勝ち抜くことは難しい」

試合を終始コントロールし、常に2桁以上のリードを保ったレイカーズだったが、自滅からロケッツの猛反撃を受けた。最大23点あったリードはみるみるうちになくなり、残り1分を切った場面で5点差まで迫られた。だが、ここでチームを救ったのがカルーソだった。レブロンのポストプレーから右コーナーでパスを受けたカルーソは3ポイントシュートを沈め、熱戦に終止符を打った。

「レブロンのパスからのコーナー3ポイントシュートはシーズンを通して練習してきた。レブロンは試合の終盤で正しい判断ができる選手。あの場面でも相手がペイント内に密集していて、コーナーにいた僕はワイドオープンだった。外すのを怖がらずにシュートを打つのが僕の持ち味なんだ」

勝利を決定づけるシュートとなり、記者から「キャリアで1番のシュートだったのでは?」と問われたカルーソは、冗談を交えて「違うよ」と答えた。「14歳の時に反対側のフリースローラインからゲームウィナーを決めたことがあって、そのショットのほうが難しかったと思う。というのは冗談で、重要性で言えばそうかもしれない。ただ、あのシュートで勝負がつくかは分からなかった」

カルーソは特にレブロンとの相性が良く、2人が絡むシーンは随所に見られる。カルーソはレブロンへの信頼を口にしながらも、自分に自信があるからこそ、今の地位を勝ち取ったと言う。

「僕はドラフト外で、Gリーグでもプレーしてきたけど、小学校1年生からバスケをしている。レブロンはこれまで一緒にプレーしてきた中でベストプレーヤーだし、これからもそれは変わらないと思う。味方に彼がいることで安心できるけど、僕がここにいるのは自分に自信があるから。自分を信じていなければドラフト外で、Gリーグから這い上がってくることはできなかった。傲慢な態度を取りたいわけではないけど、試合に出ているのには理由がある」