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豪華ラインナップを支えるのは脇役に徹する実力者

キャバリアーズとウォリアーズによる4年連続同一カードとなったNBAファイナルは、第2戦を終えてウォリアーズが2連勝を飾り、2連覇まであと2勝に迫った。

ウォリアーズ指揮官のスティーブ・カーは、第2戦ではケボン・ルーニーではなく、ベテランのジャベール・マギーを先発センターに起用。キャブズに対するリバウンドでの不利を解消するとともに、相手ディフェンスに3ポイントシュートを意識させることで空くインサイドを突く役割を遂行したマギーは、19分の出場でフィールドゴール6本すべてを成功させ、12得点で勝利に貢献している。

そのマギーと同様に、ベテランらしい円熟味のあるプレーでチームにアクセントをつけているのが、控えガードのショーン・リビングストンだ。 リビングストンは、フィールドゴール4本すべてを成功させた第1戦と同様に、第2戦でも5本のシュートをすべて成功させ10得点5リバウンドを記録。ステフィン・カリー、ケビン・デュラント、クレイ・トンプソン、ドレイモンド・グリーンとともに『死のラインナップ』の一角を担うアンドレ・イグダーラが欠場する中、リビングストンは効率の良いプレーに徹してチームを動かし、イグダーラ不在を感じさせていない。

この2試合でフィールドゴール9本中9本成功のパフォーマンスについては「良いシュートを打てているだけ。大半がレイアップかダンクだから、適切なタイミングで正しいポジションを取れているかどうかの話」と、自らのシュートスキルによるものではないと謙遜する。得点のみならずリビングストンがインサイドを動き回り相手を引き付けることで、アウトサイドでのフリーを作り出し、カリーの3ポイントシュート成功を陰ながらアシストしていることも大きかった。

そのリビングストンは、第2戦後、マギーについて聞かれると「彼のエネルギーのおかげで、チーム本来のペースでやれた。今日のようにハイスピードで、高いインテンシティと高いエネルギーを持って、ボールを前にプッシュする形でやりたい。彼がコートを走ってくれると、コートが広がる」と語った。

リビングストンと同じく、マギーも与えられた役割に徹した。クリーブランドでの第3戦に向け、第2戦までにリビングストンと好調を維持できている点について聞かれたマギーは「チームにとってすごく大きいと思う」とコメント。「チームのペースを上げるためにも、自分はイージーな形での得点を決めて、リム上空のボールにも絡んでプレーを決めないといけない。それが自分の役割だから」と続けた。

ウォリアーズと対戦するチームは、4人のオールスターに意識を向けざるを得ない。相手からマークされても結果を残す彼らに加えて、確実に一つのプレーを決められるマギーやリビングストンのようなベテランの存在は大きい。負傷者などのアクシデント、戦術上の理由から突然先発に指名されても対応でき、かつ与えられた役割を理解してプレーできるのだから、重宝される。

第2戦では、カリーの尋常ではないシュート力が話題の中心になった。しかしその裏では、リビングストンとマギーがウォリアーズに与えている影響の大きさも、あらためて証明された。