様々な感情を抱いて舞台を降りた三河の橋本竜馬「僕たちと一緒に共有してほしい」

2018/05/21
Bリーグ&国内
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文=鈴木健一郎 写真=B.LEAGUE

A東京のハードワークに真っ向勝負を貫いた『闘将』

昨日、シーホース三河はアルバルク東京との第2戦をオーバータイムの末に落とし、セミファイナル敗退でシーズンを終えた。チームリーダーの橋本竜馬は33分半の出場。前日の第1戦も延長にもつれる激闘という状況、第4クォーターまではプレータイムを制限することなく攻守にタフな働きを見せたが、そこが限界。延長戦ではベンチに座った。第3戦になれば橋本の出番もまたやって来ただろうが、その機会は訪れなかった。

第1戦の負けを受けて、A東京のハードワークを上回るべく燃えていた橋本。ティップオフから最初のプレーで桜木ジェイアールがオフェンスファウルを取られると、すぐさま駆け寄って落ち着くよう促した。橋本が必勝の気合に満ちており、それでいてチーム全体を見る冷静さを保っていることは、最初の数秒で分かった。

三河のディフェンスは最前線の橋本が背中で引っ張るハードワークが根幹となっている。『プレーオフモード』に入り、その強度は一段階上がった。「お互いにディフェンスの強度は上がります。ウチは栃木(ブレックス)、A東京と4試合やったんですけど、平均失点は抑えてます。決められると負ける、というみんなの経験が生きたんじゃないかと。ただ、それをA東京もしっかりやってきました」

「結構、足に来てるところはありました」と、最後は限界だったことを橋本は明かすが、それでもコートに立つ限りディフェンスの強度は落とさなかった。「第1クォーターからプレッシャーを掛けようと思い、でもやっぱりポイントガード陣にパスもシュートもやられていたので、そこはやらせないようにと考えていたので。ディフェンスの面では、足は疲れながらもしっかりやることができたと自分では感じています」

『比江島タイム』に感服も「そこは僕の反省するところ」

一方でオフェンスは彼自身もチームも低調だった。栃木戦では機を逃さぬ3ポイントシュートで相手に大きなダメージを与えた橋本だが、今回の2試合では2得点1アシスト、3得点2アシストと振るわず。チームの得点も65、71と伸び悩んだ。「相手も最後だと思ってしっかりやってくるし、簡単に点数が入らないのも分かりました」と橋本は言う。

A東京もディフェンスには自信のあるチーム。ハードワークを前面に押し出し、三河のやりたいプレーを断ち切る用意周到な面も備えていた。そんな危機に奮起したのはエースの比江島慎だ。『比江島タイム』の到来でオフェンスが勢い付き、一気に追い付いて延長戦へと持ち込んだ。ホームアリーナの雰囲気も最高潮に達しており、この時点では明らかに三河に勢いがあった。

ただ、橋本はそんなエースの働きを頼もしく眺めながらも、ゲームメーカーとして比江島ばかりに負担をかけてしまったことを悔やむ。「もっと早くパスを与えるとか、リバウンドを取ってファストブレイクから自由にやらせてあげれば良かったんですけど、そこは僕の反省するところです。もうちょっと試合の中でいろんなことをさせてやれば良かったと感じています」

支えてくれた人々に「皆さんには感謝しかないです」

負けた以上、どう考えても悔いは残る。「チームとしてみんな一生懸命やってきました。ケガなく全員がここまでやれたのは非常に良かったし、全体として1位を取れたことは評価していい」

「でもやっぱり……」と橋本は続ける。「チャンピオンシップで優勝できなかったのは何か僕たちにも問題があるのかもしれない、足りないところがあるのかもしれない。それを個人個人がこの期間に反省し、課題をしっかり挙げて来シーズンに臨むことが必要です。やっぱりバスケットボールは終わりがないですし、僕にとってはバスケットボールが人生といっても過言ではないので。まだまだ突き詰めていきたいし、上手くなりたい気持ちもあるし、またそう思わせてくれる試合でしたし、そういうシーズンでした」

最後に橋本は、自分たちの手で勝ち取ったホームコートアドバンテージで、最高の後押しをしてくれたファンへの感謝を語った。「試合をするたびに増えていますし、『青援』も多くなっています。今回それも含めて負けてしまったのは僕たちに足りない部分があったんですけど、皆さんには感謝しかないです。また僕たちの試合を見に来てたくさんの青援をしてほしいです」

「勝った負けたといろいろな気持ちがあるんですけど、それを含めて僕たちと一緒に共有してほしいし、これから先も共有してほしいと感じています」

ファイナル進出を決めたA東京に対しても決して劣らない戦いぶりを見せた三河だが、それでも負けは負け。延長にもつれるゲームを2つ落とした悔しさと戦い切った充実感、支えてくれた人たちへの感謝と後ろめたさ。様々な感情を抱えながら、橋本は舞台を降りた。